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〃 後編
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「瞳……落ち着いた…?」
僕が安心して、大輝の腕の中に疼くまっている
と、大輝が僕の耳元で、話しかけてきた。
一瞬、ん?と、声を出してしまった…。
僕が、落ち着いてなかったのか…?
自分でも、驚いて、何て返事をすれば、いいのかとオロオロしてしまった。
それに、耳が敏感なため、ピクッと反応して、身体がわずかに揺れてしまった…。
冷静に…冷静に… 大輝は親友。男…何もない…あれは、しょうがない事…
自分にそう、言い聞かせ、やっとの事で、声を出した。
「僕、落ち着き、なかった?ただ、考え事をしてただけだと思うんだけど……」
大輝の腕の体温に触れながら、じっと大輝の返事を待つ。
「自覚、なかったのか?瞳、俺が見た時、顔が、強張って、震えてたぞ?」
「ん?ちょっと待って……」
僕は、少し前の時の記憶を辿った。
あの時は、朝日を見ながら−−−
僕は、記憶を、思い出しながらゾッとした、寒気を感じた…
嫌だ…嫌だ…こんなのは見たくない…
その時、ぎゅっと僕の身体を抱きしめる力が強まった。
僕は我に返った…。
僕の身体は、最初の時よりも震えていた。
大輝は、僕の身体を軽々しく、もちあげ、振り返らせるとぎゅーと僕を抱きしめた。
怖かった…怖かった。
あんな、記憶が、蘇ってくるなんて…
僕は、鼓動が高鳴る中、大輝の胸元に頭を擦りつけ、
「だいき…だいき…」
と何回も名前を呼んだ。だいきは、僕を抱きしめながら、僕の頭を撫でてくれる。
大輝は、なにも聞いてこない。多分、僕を気遣って、思い出せたくないのか、我慢して、必死に黙ってるんだろう…。
大輝、ごめん、ごめん、ごめん…。
僕は、大輝の優しさに付け込んでいるんだ…。
卑怯な自分….。
小さい頃に似ている自分…。
変わらないと…ダメなんだ…。
・・・
「大輝。話したい事があるんだけど、今日の授業が、終わった後、僕の家に来れる?」
大輝は、何かを察したのか、真剣な眼差しをむける。
「んー、あぁ、いいよ。瞳の話なら全部、聞く。」
そう言うと、大輝は、笑いかけて僕の頭を、大輝の大きな手で、撫でた。
その優しさに僕は、涙が出そうになった。
こんなにも、僕は大輝に甘えているのに…。
今日、言おう。
大輝に言わなきゃ。
過去の事を…そしてあの人の事を。
この後、あの人と会ってしまうとは、知らずに…。
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