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通話の人物
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「だ…だいき!?」
僕は、その電話が大輝だと、思った為、咄嗟に、通話ボタンを押した後、『だいき』と言った。
僕は、緊張しながら、相手の返事を待つ…。
「・・・・・」
しかし、待っても返事は、帰って来ない。
どうしよう…人間違いかも、知れない…
僕は、言葉を選ぶのに必死だった。
「大輝…じゃ、ない?じゃ、誰?」
僕の電話番号を知ってるのは、親と大輝ぐらいしか居ない…。大輝じゃないなら、親…かな。
と思った瞬間…
「こんにちは、 ひ と み。
久しぶり、元 気 にしてた?」
僕の耳にあの人の声と変わらない、聞き慣れてない、低く甘い声が響く。
そして、携帯を持っている手が震えだす。
僕は、この声の持ち主を知っている…。
「…ぎ、…ん…?」
声も掠れ、震えている僕には、もう喋る気力さえもなく、喋れても、この2文字が、精一杯だった……
「そうだよ。吟だよ。
覚えてくれたんだ、嬉しいな。
でも、忘れてたら、
殺してやろうかと思ったよ。」
僕の身体は、鳥肌が一気にたち、顔が青ざめていった。
今、なんて…?殺すって言ったよね…?
「冗談、ね♪真に受けないでよ?」
だけど、さっきは、吟、本気で言ってた。
小さい頃から、一緒だったから、分かる…。
僕はそう、思いながらも、内心、少し、ホッとした。
「近々、瞳の所に、遊びに行くから。瞳の大切な人っていう、 だいきさんを、僕に、紹介…してよ?じゃ、またね。」
プツッ−−
電話が途切れた。
う、そだろ?
吟が来るなんて…
僕は、吟にどんな顔を、して会えばいいのか…。
僕の目から、一筋の涙が溢れ落ちる…
止まらない…どんなに止まれって思っても、どんどん、溢れ落ちていくばかりだ…。
僕は、自分と吟の出会いを思い出し始めた。
吟を苦しめた思い出を…。
僕の罪深き思い出を。
そして、僕は、絶望と孤独の淵に立たされた気がした。
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