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確かに退屈だとは言ってたけどね
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エメラルドグリーンの海
白い砂浜
とっても平和な国
平和すぎて毎日が退屈
今日も青い空を見つめながら溜息をついた
パーティーに行ってもどうせドレスを着せられるし、城の中は肩が凝る
大体、何でもかんでも世話されすぎて嫌になる
確かに、旦那様である奏はこの島の王子だから仕方ないんだけどさ
最近、忙しいみたいで全く会えないし・・・・・・・
「散歩でも行こうか?とんかつ」
相変わらずのとんかつである
体型も恐ろしいほど変わり果ててしまった
毎日何を食べているんだろう・・・?
俺でも楽勝で乗れるはず・・・・・・乗らないけど
砂浜を散歩しながら、何となくいい感じの流木を拾った
「どう?なんか杖みたいじゃない?」
(ブホッ!)
嬉しいような嬉しくないような
「じゃ、この杖で何か描いてみようか」
ん~、何を描こうかな
適当に円描いて適当に数字とか、そうだ!とんかつの絵と覚えたてのこの島の言葉も描いて・・・と
「なんかいい感じになってきたかも~」
(ブホホッ!)
「えっ、何?眩しいっ」
一瞬の出来事だった
とんかつが鳴いたと同時に眩しい光に包まれた
そして・・・・・・・
そっと目を開けると、数人の剣士に囲まれていた
こんな事は初めてだったし、俺の顔を知らないはずがない
「無礼な!剣を降ろしなさい!」
「は?何だこいつ、魔法使いのくせに」
「しかも新米みたいだな」
「でも、顔は可愛いし」
「俺達と遊んでくれよ~」
下品な笑い声
ここは島の人間じゃない
こんな鎧は見た事がない
「と言うか、魔法使いって何?俺違うし」
「杖と使い魔持ってるくせに何言ってんだお前」
杖・・・・・・確かに海で拾った
でも、使い魔?
「あはっ!」
「ええっ!!」
何、このとんかつ凝縮版みたいな奴っ!
しかも、無駄に可愛いとか
「話せるの?」
「みたい」
「へぇ・・・・すごいね」
「うん」
驚いた
でも、怖くはないかな
何となくぽてぽてしてるしね
「僕、誰かを捜してくる!」
「でも」
きっと、とんかつの言葉は俺にしか
「何、ブツブツ言ってるんだ!早く来い」
「えっ!嘘、無理!」
「黙れ」
「ひっ!」
マジかよ
こいつらホントに俺を殺すつもりかも
こんな事なら最後に奏に会っておけばよかった
絶対呪ってやるからな!
「早くヤっちまおうぜ」
「だな」
「嫌だ!離せ!」
「黙れ、殺すぞ」
「だったら殺せ!お前らにヤラれるぐらいなら殺せ」
「面白い、じゃ今すぐその望みを叶えてやるよ」
「勿体無い」
「死体でも出来るだろ」
「趣味悪っ」
確かに悪すぎる
腰から剣を抜いて目の前で不気味に光った
ごめん、奏・・・・・・
俺、よくわからないけどここで死ぬみたい
楓、いつも優しくしてくれてありがとう
凱、いつも遊んでくれてありがとう
みんなすごく大好きだったよ
奏、すごく愛していたよ
言い残したい事や、やり残した事はたくさんあるけど、もう無理そうだ
両手を掴まれ、頭を下に向けられた
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