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別人?でも・・・
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朝、目が覚めるとベッドの中にいた
昨日、あのまま眠ってしまったんだ
と言うか、どうして真ん中?
しかも楓の寝相が悪いのはこっちの世界でも同じとか
「くっ!」
「おはよう、凱」
「違うっ!!」
「あっ・・・・・そっか」
危ない危ない
キスされそうになったし
「じゃ、着替えたら奏に紹介するから」
「うん」
服もたくさん買ってもらったけど、何だか恥ずかしいな
ローブは着るべき?
「杖は持っていてね」
「わかった」
「後もう一つ」
「?」
「爬虫類は呼ばないで」
「ごめん」
そう言えば大嫌いだったっけ
こっちの楓も同じなんだ
「じゃ、行こう」
「うん」
「何を見ても動揺しないでね」
「へっ?」
「多分、この世界の奏は空の世界の奏とは別人かも知れないから」
「わかった」
どう言う意味でかな?
ようするに何を見ても動揺するなって事だよね
そしてまた豪華な部屋の前までやって来た・・・・・・・けど
(あっ・・・・もうっ、許して・・・・・・・ああっ)
えっ?
「奏、入るよ」
「もう少し待て」
「待てないね」
嘘っ!
だって・・・・・・・・・
何の躊躇もなく扉を開けて部屋の中に入り、ベッドに向かった
嘘・・・・・・・・・・・奏じゃないけど奏と同じ顔
違うとするなら瞳の色ぐらいかも
だけど・・・・・・・・・
「毎晩朝までお盛んだね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ベッドには疲れて眠る男の子が三人いた
「そいつは?」
「自分の目で確かめたら?」
「・・・・・・・・・相変わらずだな」
ベッドから降りてこっちに向かって来た
どうしよう
「・・・・・・・・・・・・彼は?」
「動物使いの空」
「動物使い?」
「他にも話はあるけど奏次第かな」
「みんな出て行け!」
この人は誰?
奏はこんな冷たい人じゃない
眠っていた男の子達は起こされて意味もわからないまま部屋を追い出された
「やはりね」
「何がだ」
「気に入ったんでしょ」
「楓、今夜こいつを」
「駄目だよ」
「逆らうのか?」
「空はそんな人間じゃないから・・・・・まず話を聞いて」
「ああ」
奏は薄いローブ姿で楓の話を聞いていた
「話は大体理解出来た」
「そう」
「空」
「は、はい」
「俺はお前が気に入った、必ず俺を好きにさせてみせる」
「えっ」
好きも何も・・・・・・・・
「じゃ、もう毎晩のお遊びは止める事だね」
「ああ」
「そう、公務もしっかりね」
「わかった」
「それから、空に部屋を」
「ああ、一番いい部屋を用意させる」
「そんな、普通の部屋でいいですから」
「いいから」
「・・・・・・・はい」
「朝食の後、街を案内する」
「えっ?」
「安心しろ、なにもしない」
「はい」
そっちの心配じゃなくて王子だとばれないかの心配なのに
「向こうの世界では俺はどう呼ばれていたんだ」
「普通に奏と」
「では、ここでもそうしろ」
「でも」
「命令だ」
「・・・・・・・・・はい」
「じゃ、俺は凱を起こしてくるから」
「ああ」
「俺は」
「ここにいろ」
「はい」
嬉しいような悲しいような
でも、綺麗な瞳の色だな
オッドアイってやつだよね
「どうした」
「綺麗な瞳ですね」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ごめんなさい」
「いや、王族はみんなそうなんだ」
「へぇ」
「適当に座れ」
「はい」
と言うか不健康な部屋
「窓を開けても?」
「ああ」
重いカーテンを開けて窓を全開にした
「空気の入れ替えも必要ですよ?」
「そうだな」
もしかして鳥とかも呼べるのかな?
意識を集中して・・・・・・・・
「・・・・・・・・何を呼んだ」
「だちょう・・・・・みたいです」
「はぁ」
鳥は鳥でも大きすぎ
なかなか上手く行かない
「庭の草でも食わせて帰らせろ」
「はい」
「みんな~!草を食べたら戻ってね」
お?
話は通じるらしい
「確かに動物使いだな」
「あはは・・・・・・」
嫌味なのか褒められているのか
「おおっ!彼のオーラーはすごいよ」
「そうなの?」
「うん、輝いている」
「へぇ」
さすが王子
「どうした」
「使い魔と話を」
「そのブタか?」
「あはは」
「ところで、空の世界の奏とはどこで知り合ったんだ?」
「えっとですね」
これを言ったらドレスを着せられそうな気がしてならない
でも、聞きたそうだし
だから素直に話した
「確かに似合いそうだしな」
「止めて下さい!」
「そうだ!」
「着ませんから!」
「・・・・・・・・・勘がいいな」
散々着てるしね
そして朝食の席で俺は王子専属の動物使いと言って紹介された
もちろん、誰も反対などしない
楓と凱は笑っていた
「王子!敵国が攻めて来ました!」
「奇襲か?行くぞ!」
「えっ、ええっ!!」
「空はそこにいろ」
「でも」
どうしよう
俺に出来る事はないの?
バルコニーから空を見上げると大きな鳥に乗った兵士がたくさんいた
これじゃ、不利過ぎる
楓も凱も闘っていた
もちろん奏も
この世界でも人間は死ぬ
そんなの嫌だ
「空!中へ入っていろ」
「嫌だ!」
意識を集中させて
あの大きな鳥に神経を
(乗っている人達を振り払え!)
「うわっ!何だ急に」
「言う事を聞かないだと?まさか動物使いが?」
「みんな退却だ!」
やった・・・・・・・・
そして力が抜けた
「空、大丈夫か?」
「奏・・・・・俺」
「助かったよ」
「よかった」
力が抜けてもう立てない
俺は奏の腕の中でそのまま目を閉じた
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