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最初からそうしてよっ!
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「じゃ、適当に座れ」
「うん」
近くに置かれていた椅子に座り凱を見つめた
「じゃ、まず時計の読み方からにしようか」
「わかった」
「この世界での一日は36リープと言うんだ」
「36リープ?」
「ああ、太陽が昇り次の太陽が顔を出すまでのな」
「要するに、一日は36時間と言う事?」
「時間って?」
「えっ」
もしかして時間の基礎から覚えなければいけないらしい
「えとね、多分36リープと言うのは俺の世界での一日なのかなって」
「空の世界ではどうなんだ?」
「俺の世界では時間は1から12の数字で出来ているんだ」
「へぇ」
「で、太陽が昇って次の太陽が顔を出すまでの間、午前と午後に分かれていて一日が24時間なんだ」
「何だかよくわからないけどそうなのか」
「うん、だからここでは一日が36時間もあるのかなって」
「それはどうかな」
「ちなみに何時間眠るの?」
「眠るのは大体5リープだな」
「ええっ!と言う事は残りの時間は・・・・・うそん」
「とにかく時計を理解しろ、今から説明するから」
「はい」
・・・・・・・とは言ったものの、さっぱりわからない
「はぁ・・・・・・」
「一日で覚えられたら逆にすごいだろ?」
「そうだけど」
文字も難しいし時計も理解できないまま夕食の時間になってしまった
でもおかしいな
もし一日が36時間なら夕食の時間はまだまだのはず
と言うか、お腹はそんなに空いていない
・・・・・・・・もしかして、逆?
長いんじゃなくて短いとか?
あ~、もう!全くさっぱりわからないよっ!
「どした?」
「ううん、今日はありがとう」
「また明日な」
「うん」
そしてまた一瞬でダイニングに移動した
「うわっ!」
「ん?」
「まだ、体が慣れなくて」
「移動?」
「うん」
「すぐ慣れるさ」
「かな」
って、俺そんな事出来ないしっ!
「やっと見つけた」
「楓」
「どこにいたの?奏が捜していたよ」
「ああ、図書館で空に文字とか時計の読み方をね」
「どうして?」
「どうしてって・・・・何も分からなければ困るだろ?」
「うん」
「だからだ」
「だから、そんな事しなくても凱の魔法で何とか出来るんじゃないの?」
「俺の・・・・・・・・・・・・・・・・・ああっ!その手があった」
「ん?」
「空、いいからそのままじっとしていろ」
「うん」
ん?
何だろうすごくいい音色
頭がぼんやりしてきたけど意識はある
変な感じだけど嫌じゃない
あれ?時計の読み方がわかる
何でだろ
壁の文字もわかるぞ
ダイニングって書かれていたんだ
「どうだ?」
「凱!文字がわかるよ!!」
「成功だな」
「さすが凱」
「どうなってるの?」
「魔法で空の脳内にこの国の知識を埋め込んだんだ」
「だったら最初からそうしてよ~」
「ごめん、使わない魔法だからすっかり忘れていた」
「でも、ありがとう」
「たまに勉強も楽しかっただろ?」
「理解不能で泣きそうだった」
「あははっ、そっか」
笑いながら頭を撫でる凱の手は少し冷たかった
「でも、楓が教えてくれなかったら明日もまた勉強して泣くところだったかも」
「感謝してくれるのなら早く奏に顔を見せてあげてね」
「わかった」
「ずっと空がいないと言って仕事も放棄だし」
「ごめんね」
それはそれを口実に仕事をさぼって・・・・・・いるのは俺の世界の奏だけかな?
とにかく助かった
ついさっきまでわからなかった文字が読めるし、それだけで前よりは生きて行けるかも・・・・なんて思えたんだ
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