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外に出たいっ!
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言葉や文字がわかると言う事はすばらしいと・・・・・・思わない部分もあったりした
「本日のスープは野生コウモリ羽と角蛙でございます」
「・・・・・・・・・・・・」
「どうした、空?うまいぞ~」
「う、うん」
俺って今まで何も知らずに美味しいとか思っていた素材を聞いて食欲が失せた
コウモリって・・・蛙って・・・・・
と言う事はメインとか物凄い物に違いない
「空?」
「あっ、うん・・・いただきます」
スプーンに綺麗な黄金色の液体を恐る恐る飲んでみた
「美味しいっ!」
「だろ?」
「うんうん」
驚いた
めちゃくちゃ美味しい
これはもう考え方を変えるしかない
ここではこういう料理が当たり前なんだ
しかもお城だし、料理も最高級に違いない
そう思えば、何でも食べられそうだ
そもそも目の前に置かれている水らしきものだってそう
水なのに七色に輝いていた
不思議だけどやっぱり水だ
「空、食事が終わったら部屋に来い」
「えっ?」
「渡したい物がある」
「わかった」
う~ん
ここでの奏はやはり少しだけ違うかも
嫌じゃないけど、命令口調が多いような気もする
そしていつも驚かされる事は、食事が終わった時の後片付け
一瞬で全てが消える
消えた食器はどこへ??
でも、毎日ピカピカだしやはり謎だった
「炎仕立てのジェラードでございます」
「うわっ!も、燃えてるっ!!」
「安心しろ、熱くは無い」
「へっ?」
だってめちゃ燃えてるし・・・・・・
見るからに熱そう・・・でも溶けていない
怖いけど、めちゃ怖いけど炎のついたジェラードを口に入れた
「すごく美味しい!!」
「そうか」
「うん」
驚いた
全く熱くないし、初めて食べる食感だった
味は・・・・・メロンに似てたけどメロンではなさそうだ
やはりまだ食事には慣れないな
美味しいんだけどね
「ご馳走様でした」
両手を合わせて美味しい食事に感謝した
「行くぞ」
「うん」
そのまま奏に着いて豪華な部屋に案内された
すごい・・・・・なんか飛んでるけど見た事もないような羽・・・なのかな
すごく可愛い
「座れ」
「うん」
どこに座ろうかな
やっぱりソファーでいいのかな
部屋の真ん中に置かれていたソファーに腰掛けて奏を見つめた
ふかふかでとても座り心地がいいし、部屋も相変わらず豪華すぎる
「これを」
「これは?」
「王家に伝わる伝説のスタッフだ」
「えっ、ス、スタッフ?」
「ああ、お前は動物使いだからきっと役に立つ」
「でも、こんな豪華なものは」
「俺がいいと言っているんだ」
「・・・・・・・わかった」
断っても無駄そうだ
手渡されたスタッフを見つめ溜息をついた
重くはないけど、豪華な宝石が散りばめられている
一体どんな効力があるのかは謎
「後はこれだ」
「服なら・・・」
「この服は防御力に優れているし魔法にもかなり役に立つ」
「ありがとう」
「ああ」
綺麗な服をもらってしまった
もしかして家宝だったりしてね
「ちなみにそのスタッフと服は先祖から伝わる家宝だ」
「ぶはっ!」
マジで?
「だ、だめだよ!そんなに大切な物は受け取れない」
「空だからだ、この意味を理解しろ」
「・・・・・・俺だから?」
「どうでもいい奴にそんな大切な物は渡せない・・・・お前だからだ」
どうしよう
意味は何となく理解出来たけど、俺はこの世界の奏を受け入れる事は出来ない
だから、はぐらかす事にした
「わかった、ありがとう」
「お前・・・・・はぐらかしたな?」
「えっ」
「まぁいい・・・・・いつも持ち歩くんだぞ」
「わかった」
正直邪魔だけどこの世界ではそれが当たり前なのかも
「じゃ、俺凱と約束があるから行くね」
「・・・・・・・・・・・・」
何だか機嫌が悪い?
「奏?」
「そうだな、俺と居ては危険だし怪我もするしな」
「違うよ、そうじゃないよ」
「じゃ、何故俺を避けるんだ」
「避けてなんか・・・・・」
思い切りしてる
だって、そうしなければ俺は・・・・・・
「そんな顔をするな」
「ごめん」
「でも、俺を避けたりしないでくれ・・・・・」
どうしよう
すごく悲しそうな顔
「うん」
・・・・としか返事のしようがない
「このままお前の世界にはもう戻れないかも知れないんだぞ?」
「そんな事は・・・・・・そんな事・・・・・」
「同じ顔なら問題ないだろ?」
「嫌だ!この世界の奏は別人だもん!」
「空」
「ごめん、もう行くね」
そのまま部屋を飛び出した瞬間、泣きそうになった
もう現実世界の奏に会えないなんて嫌だ
戻れないなんて・・・・・・そんな事ない
でも、戻れるという確信もないんだ
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