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何か頼まれたんだけど
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広いお城の中もそろそろ飽きて来た
毎日、歩き回っていればそうなるよね
常に持ち歩けと言われたから持ち歩いてるけど、意外と邪魔な事に気付いた
重くはないけど、何となくね
今日も、裏庭の大きな木の下でぼんやり空を眺めていた
昼間なのに太陽が見えない不思議な空
時折、ほうきで空を飛ぶ人も見えた
「はぁ・・・・・・」
危険な事はわかっているけど、外に出てみたいな
凱は忙しそうだし、楓もいないし奏はさすがに誘えない
「あっ・・・」
どうしよう
なんか抜け穴みたいなのを見つけてしまった
押すなと言われれば押したくなるのが人間
出るなと言われれば出たくなるのが俺
「少しぐらいならいいよね」
すぐに戻ればいいんだし、大丈夫大丈夫
「う~ん」
スタッフはどうしよう
持って行けば、奏にばれてしまう
「・・・・・・・ごめんね」
抜け穴の近くにフタッフを隠して、急いで小さな穴の中に入って・・・・・・
・・・・・・・後悔した
「な、何?!」
どう言う事?何で崖の上にいるの??
「嘘・・・・だ」
下を見た瞬間、眩暈がした
「高すぎる」
しかも、抜け穴が消えてるとかもう泣きそう
「落ち着け、今は落ち着こう」
まずは、俺は今どこにいるのかを確認しよう
首を捻り、周りを見つめた
「・・・・・・・どう見ても崖の頂上かも」
しかも、降りるスペースがない・・・と言うか道がない
もう一度下を覗いてみたけど、雲しか見えない
「嘘だぁぁーーーー!!」
どうしよう
落ち着いたらますます泣きそうになった
このまま戻れないの?俺、ここで死ぬの?
その場でしゃがみ込み、膝を抱えた
「ん?空が暗い・・・・・・って!!」
嘘っ!
頭上にドラゴン?
もしかして俺は餌?
「いやぁーーーーー!」
まだ、死にたくないよ・・・・・ここで死ぬのは嫌だ
(お前は動物使いか)
「う、うん」
(お前から綺麗な光が見える・・・誰も持っていない光・・・・)
「光り?」
(私はもう駄目だ・・・・虹色の光を持つ人間よ、お前にこれを託す)
「へっ?」
託すって何を?
(お前ならきっと・・・・・頼んだぞ、私の子を守ってくれ)
「えっ・・・・?がふっ!」
な、なに?上から落ちて来た何かが思い切りお腹の上に・・・・・
「たまご?」
と言うか、何で俺に?
(動くな、そのまま隠れていろ)
「わ、わかった」
何が起きてるんだ?空が騒がしいけど
たまごを抱えながら、じっとしていた
(小賢しい人間共・・・・・我等はお前達に服従したりはしない)
えっ?
「うわっ!」
ものすごいスピードで離れて行ってしまった
そして・・・・・・
「嘘・・・・・そんな・・・」
物凄い数の光の中、ドラゴンはボロボロになって落ちて行った
(たまごを探せ!)
(どこかにあるはずだ)
えっ?
もしかしてこれかな
どうしよう、でも渡してはいけないような気がした
だけど、逃げ場なんてどこにもない
「お前、どこから来たんだ」
「・・・・・・・・・・・・・」
見つかった
しかも囲まれてる
「それを渡せ」
「嫌だ」
「死にたいのか?」
「死にたくないけど嫌だ!」
「死にたいようだな」
どうしよう、本気だ
「もう一度聞く、それを渡せ」
今度こそ殺される・・・・でも
「・・・・・・・・・嫌だ」
「クソガキが・・・・・ならじっくりいたぶってから殺してやる」
どうしよう・・・・・・逃げられそうにない
そうだ!
そのまま立ち上がり、たまごを両手で持ち上げた
「動くな!動いたらこれを落とすからね」
「なっ!」
「困るんでしょ?」
「でも、残念だったな」
「えっ?」
「お前は囲まれているんだぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「落とす前に殺してやる」
やっぱりそうなるよね
「一番苦しむ殺し方をしてやる・・・・・死ね!」
もうだめっ!
奏・・・・・ごめんね・・・・もう無理かも
ゲームで見るような剣が振り降ろされた瞬間、たまごを抱きしめ目を閉じた
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