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取りあえず・・・
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いつの間にか眠ってしまったらしい
「とんかつ、重いっ・・・」
しかも床で寝てたから体中が痛い
こんなベッドで眠った事がないし逆に床の方が落ち着くしね
そのまま体を起こし、窓から外の景色を眺めてみた
「綺麗だけど、やっぱりおかしい」
海の色は透き通るようなエメラルドグリーン
空の色は綺麗なブルー
俺の世界とは違う景色
中庭の噴水の水は透明で、輝いてはいない
いつもはうるさいと思っていた羽妖精もいない
「空、起きてる?」
楓だ
楓様って呼ぶべきなのかな
「起きてる」
「入るよ」
「うん」
やっぱりこいつの服は変
剣も何も持っていないし死にたいのか?
「服を持ってきたんだよ」
「服って、変なやつ?」
「変だけどここではこれが普通なんだ」
「へぇ」
「そのままだと目立ってしまうし、着て欲しいかな」
「別に・・・・いいけど」
「よかった、サイズはぴったりだと思うよ」
「うん」
でも、見慣れればそんなに変でもないか
でも、この可愛いデザインは嫌かも
ややこしい服のボタンをはめて、リボンを結んだ
「うん、よく似合う」
「なんでこんなにヒラヒラなの?」
「俺の好み?」
「は?」
「なんてね」
「はぁ・・・女みたいだし」
「そんな事は無いよ」
「そうかな」
「うん」
でも、俺の着ていた服はボロボロだしこの服はとても着心地がいい
「この服は変わった素材で出来ているね」
「飛びウサギの皮だよ」
「飛び?」
「羽で空を飛ぶうさぎ」
「へぇ、面白いね」
「すばしっこいけど肉も美味いんだ」
「空は何が好きなの?」
「食べ物?」
「うん」
「ん~、今までで一番美味しかったのはドラゴンの羽」
「・・・・・えっ」
「ゴミ箱に捨ててあってさ」
「ゴミ・・・・」
「後はリラの実」
「リラ?」
「赤くて甘いんだ・・・森によく取りに行ったけど、すぐに消えてしまう」
「赤い実・・・」
「ところでまだ用事?」
「うん、もう少し話を聞きたいかなって」
「いいけど」
「ありがとう、じゃ俺の部屋に行こう」
「うん」
話って言われてももう何も話す事は無い
でも、逆らうと殺されるかもだしね
綺麗な廊下を歩き、花瓶の花を見つめ足を止めた
「どうしたの?」
「花が動いていないから」
「動く?」
「そっ、動いていないからあの花は死んでるね」
「ん~、この世界の花は動かないんだよ」
「そうなの?」
「うん」
「へぇ・・・・・つまんないね、こうやって動くのが花なのに」
そう言って魔法を唱え、花を動かした
「きゃーーーー!花が・・・・花が・・・」
「あははっ、面白い」
「駄目だよ、戻して」
「いいじゃん」
「駄目、この世界のものを勝手に変えてはいけないし、魔法も使っては駄目」
「なんで?」
「もし、空が魔法を使えることが知れたらここには居られなくなるから」
「と言う事は、俺ここにいてもいいの?」
「もちろん、でも約束して」
「約束?」
「魔法は使っては駄目」
「ん~、わかったよ」
「いい子」
えっ・・・
子供じゃないのに頭を撫でられた
でも、嫌じゃないし逆に落ち着く
「・・・・・・・・・・・・・」
「行こう」
「うん」
この世界では魔法は使えないのか
面倒だけど仕方が無い
ここを追い出されたら行くところも無いしね
しばらくは大人しくしている事にしよう
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