家族に売られた和泉が大切な人に出会うまでの話。



中学卒業してすぐに家族に売られ、売られた先の親戚の家では毎日のように家事全般を任され、それと同時期に食事を制限されて徐々に食事が喉を通らなくなっていく。

高校へ入学して2年の秋に浅神 龍也(あさがみ りゅうや)に出会い少しずつ表情のなかった和泉に表情が戻っていき、龍也に心を開いていく。



「龍也くんは僕みたいなのより女の子と幸せになる方がきっといいよ」

「それでも、俺は和泉と幸せになりたいんだ」

「ごめんね、龍也くん。僕は龍也くんと付き合えないんだ」



心に大きすぎる闇を抱える和泉が大切な人と出会えるのはもう少し先なのかもしれないし、今なのかもしれない。