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35 哉太side
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小さい頃からかなちゃんかなちゃんと僕の後ろをついてきて、泣き虫だったくぅはどこにいってしまったんだろう。
いつの間にこんなにも我慢をする人になってしまったのだろうか。
くぅのご両親はとても忙しい人で、僕達兄弟とくぅのお姉さん達と、大切に育ててきたのに。
「そういえば、つい先日謹慎者が出たらしいですね。それも1度に4人も。会長は何かご存知ですか?」
そんなこと、知らない。
びっくりしたくぅの顔がある。
「風紀から書類が回っているはずですよね?」
この学園では謹慎者が出た場合風紀から生徒会へと申請がくるようになっており、最終的に許可の判を押すのは生徒会長の役目である。
しかし今回の謹慎者の処分をくぅが知らないのは当然であろう。
僕の情報網にくぅの事が入ったのは事件が起きてからすぐのことだった。
くぅの親衛隊長をしておきながらくぅを守れなかったことへのショックと、深く傷ついたであろうくぅを思うと涙が自然と出て、犯人を捕まえるのに全力を尽くした。
『今回のことは理事長へ直接報告します』
犯人が捕まったとき、くぅは部屋に引きこもっており、会議室で密かに行われた話し合いに木前親衛隊隊長として出席した。
『それは規定違反では!』
『会長に!………くぅに自分に暴行をしてきた生徒の書類を任せろと言うのですか。それにこれは理事長が望んだことです。理事長直々に処分をくだされるとのことですので、その書類を渡してください』
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