アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
38
-
寮に戻ると、俺の部屋の前を行ったり来たりしているやつがいた。警戒しながら近づけばその人物が千葉だと分かった。
「何してるんだ」
「っ!会長!」
声をかけると千葉は少し離れたところにいた俺に向かって走り寄ってきた。先日のことで話があるのだろうか、何か言いたげにしている千葉。たぶん内容が内容なだけにここでは話しにくいのだろう。
「千葉、お茶でも出すから俺の部屋へ行こうか」
「え?あ、はい」
俺が他人を部屋に招き入れることに驚いたのだろうか。俺は別にそんなつもりはないんだけど、哉太がそういったことを管理しているから俺の部屋には基本誰も訪ねてこない。
「素敵な家具……」
「俺の趣味じゃないんだけどな」
寮にある家具は全て全部屋共通で、明らかに違うこの家具はどう見ても俺の私物に見えるだろう。掃除などはこまめに哉太がしてくれているので部屋は常に綺麗だ。
「あの、この前はありがとうございました……。会長が来てくれなかったら僕は今頃ッ」
今の俺のようになっていたかもな。泣きそうになりながら謝る千葉はやっぱりちっちゃくて可愛い。暁が大切にするわけだ。
「あれから何もされていないか?」
「はい、暁先輩が守ってくれています」
「……そうか、よかった」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 50