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西谷に言われて部屋に篭っていた俺だったが、ついさっきもう出ても大丈夫だろうと迂闊に外に出てしまった。
それがいけなかったのだろうか。
「っ、」
廊下には誰もいない、それなのにだ、視線を感じる。
誰もいないのに声が聞こえる。
───汚いカラダ。これじゃあ暁に顔見せられないね。
───きっと軽蔑するよ。
───キタナイんだから、視界に入らないでよね。
チガウ、ここには誰もいないじゃないか。
これは幻聴で、感じる視線も考えすぎだ。
「木前?もう出てきても大丈夫なのか?」
あぁ、なんでこんなところにいるんだよ───暁。
「廊下にしゃがみこんでどうかしたのか?まだ体調が悪いのか?」
ヘタリと、廊下に座り込んでしまっている俺の腕をとった暁は俺を立ち上がらせようとする。
その腕が、あの日俺を襲ったやつだって、絶対に違うのに、そう感じてしまう。
「ほら、廊下は汚いんだから立てよ」
“キタナイんだから”
「あ、あ、…………っ」
「木前?」
「触るなっ!!」
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