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諦めた可能性…国影
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影山が、俺の知っている影山とかけ離れて現れた。
独裁政権を強いていた王様と離れ一ヶ月そこら、いつそんなに変わる期間があったか。部活の仲間と楽しそうにしているのが見ていてわかる。
どう見ても性格が合わないであろう人物でさえも独裁的な事は強いていない。
どうしてそいつはよくて俺はダメなのか、と思わずにはいられなかったけど俺以上に金田一が悔しそうな表情をしていた。だからきっとここは俺が悔しがる場面ではないんだ。
俺は影山の事は苦手だった。自分の事を理解してくれないから自分にとって都合の良くないセッターだ。
それでも三年間同じ部活だったんだ。
あんな風に接する影山を見たことがない。
インターハイの時も、誰かとハイタッチする影山なんて見たことがなかったし、想像さえもできなかった。
昔の影山はまだ可愛かった。中学一年の頃なんて仲良く会話さえしていた。
いつからあんな風な王様になったのだろうか。
別に過去の事は気にしていない。気にしていたって変わらないし。
「ねぇ影山、お前なんで……独りになったんだろうね」
意図せず嫌味ったらしく言ってしまう。影山は…予想と違って俯いて何も言わない。俺が悪いみたいだ。
「俺さ、お前が好きだったんだよ」
影山は驚いたように俺を見た。それでも何も言わない。信じられない?そうだろうね。
「何で…こうなったんだろうね」
俺は影山を好きだったくせに、守らなかった。面倒だったんだ。守った所で影山が皆の事を考える王様になるとは到底思えなかった。想像もつかなかった。昔に戻れるはずがないと思っていた。
「影山がこんな風になるんだって知ってたら…頑張ったのになぁ」
今更悔いたって遅い。
もう影山は…あいつらのものだ。俺の発言に首を傾げてる王様を見て確信した。
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