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デレデレ月島2…月影
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今朝から影山の様子がおかしかった。
今日は朝練がないという事で急がずに登校したはずの影山と日向。僕は登校中に影山を見かけた。
付き合っている人である。登校中に見かけるとか普通は嬉しい。声をかけよう、と思って影山に近づいた。
「おはよ、王様」
「…はよ」
僕が挨拶をすれば返してくれる。他の人に王様と言われるのは嫌なのに僕は許す。
そんな王様を愛しく思う。
そしてふと察した。何かおかしい。
影山は3組僕は4組で靴箱はすぐ隣で。教室も近くだから必然的に一緒に登校となる。
「今日どうしたの」
「別に…何でもねぇ」
そんな事言うんだから何かあるんだろう。
嘘が下手だから。
僕は僕で影山の何がおかしいのかが分からなくて実は少し苛立っている。
だって好きな人の事は何でも分かりたいじゃん。違う?
「…よく分からないけど、何かあったら言ってよね」
「…」
お前がそんな優しい言葉言うとは思わなかった。みたいな目線、やめてよ。僕を何だと思ってんの。
「一応恋人なんだし、分かってんの?」
「…おう」
影山は少し照れたように俯いて逃げるように教室に入っていった。
…大丈夫なの、あれ。
そう思いつつ自分も教室に入る事にした。
それからお昼。
昼ご飯はバレー部一年で集まって食べる事が多いが、この日はなかなか集まらなかった。
山口が日向を呼びに行ったら、日向は友だちと食べるから!と言って誘いを断ったらしい。じゃあ僕は影山を呼びに行くか、と3組へ顔を出す。
いつの日かのように机に突っ伏している彼を見つけた。
「王様、起きて」
そう言って頭にポンと手を乗せて、彼の体温が高い事に気が付いた。
もしかしなくても熱がある?
「影山、大丈夫なの?」
大丈夫じゃないって知っているのに、しゃがみ込んで彼の顔を伺う。
うわ、顔真っ赤。あれの後みたい。とか場違いな事思いながら、少々面倒だと思う。
彼は180もある男だ。これが女子であれば抱き上げて保健室にでも連れて行けるのだが、起きてもらうしかない。
「起きて」
いつものように前髪を上げて、いつもより熱い額に口付け。それで起きる王様を見て、彼はどこかの姫なのではないかと真顔で思う。
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