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告白から1…月影
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「影山が好き、付き合って」
そう自分の中で人生で言わないであろう(筈の)言葉ベスト3の言葉を使って告白したのはつい先日の事。
ここまでくるのに何ヶ月かけた事か。
王様が好きと分かっていても認めたくないとか、いろいろ悶々して決心した。
それまでの日々は変わらず言い合いばかりで、もしかしたら返事はNOかもしれない。
それでも答えを待つ。目の前の彼の表情は背が自分より下の俯いた顔は見ることができなかった。
「お前は、俺と付き合って何かいい事あんのか」
そう聞かれ、僕は驚いた。
だけど返事なんて決まってるじゃないか。
「あるに決まってるでしょ、僕は君が好きなんだから」
目の前の彼は顔を上げて言った。目元、頬が少し赤い彼が。
「俺は好きとかわかんねぇ。だから、付き合ってよかったとか、好きとか、教えてくれ」
それは付き合いの承諾の言葉だった。
そんな事言われたら頑張るしかないじゃん。それに好きにさせる使命を負ったんだからいろいろ自由が利くねとか内心少し黒い笑顔を浮かべたのだった。
そんな回想に頭を回しながら現在の状況に目を向ける。
今日は体育館が仕えなくて部活もなかった。だから僕は王様…影山と一緒に帰ろうと声をかけた。
最近僕たちの関係はいつも言い合いをしたり、ご飯を一緒に食べるようになったり、教科書忘れた彼はわざわざ僕の所に借りに来るようになった。
影山が僕に山口といつも一緒にいるのやめろ、なんか嫌な気分になると言った時には嬉しくなった。それ嫉妬って言うんだよと言いたかったが自分で気付いてほしかったから言ってやらないと何も返さなかった。
そして現在、キスは愚か手を繋ぐ事さえ未だできていない僕たちだが、仲はそれなりによかった。
「ねぇ、影山」
「なんだよ」
手繋ごうとか、言葉に出すと僕ばかり欲しがってるような気がして出したくなかった。だから、そのまま手を繋ぐ。すると隣に並ぶ、少し低い黒い頭が大袈裟に揺れた。
「な、に…」
急に、バカか。
とか可愛げ無いことを言われるが、見え隠れする耳が赤く染まっていて思わず笑ってしまった。
可愛い。とか、普段の自分なら思わないし、思ったとしても認めない。こいつといると自分が自分でないみたいに思う。
「このまま、攫っていい?」
「……は」
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