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出会った場所に思いを馳せるんデス…。
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小休憩を挟みつつ、悠希を背中に乗せていたにも関わらずハンターの体力は尋常ではなかった。
「…え、ここって…」
見覚えのある森の様子に、悠希は思わず声を漏らす。
ハンターは小走りからゆっくりとした歩調へと切り替える。
恐ろしいほどの早さで、ハンターは村の近くへと帰ってきていたのだ。
よくよく考えると、森のこの一帯もハンターの縄張りなのだろう。
だから迷うことなく帰って来れたのだ。
「あなた。ここでいいよ、降りて歩くよ」
ハンターの背中を軽く叩きヒラリと降りる。
ずっと揺られていたので、お尻や節々が痛い。
「う~ん」と伸びをしてからハンターと並んで歩き出す。
「…懐かしいなぁ」
この森でハンターを探していたあの日々が甦る。
孤高の気高き幻の狼。
敬意を示して「ハンター」と村人から唯一名前をつけられた狼。
初めて出会ったあの日、あの時。
心臓が震えた。
一生に一度の…運命の出会い。
「丁度ここだったよね?ボクたちが出会ったのは」
ハンターが隣に立つ。
覚えのある大木を一緒に見つめた。
とんでもない出会い方だったけど、あの事が無かったら僕たちは番にはなっていなかっただろう。
「恋い焦がれてたんだよ。そんなあなたに出会えて、選んで貰えて…本当に今、幸せなんだ…」
隣に立つハンターを見ると、同じようにこちらを見ていた。
優しい瞳で。
ハンターはどう思っているのか。
ことばで聞くことは出来ないが、きっと同じ気持ちだと信じてる。
「…さて。村までもう少しだよ、行こう‼」
悠希の言葉にハンターは『ウォンッ』と応えた。
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