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ようやく里帰りを果たしたのデス…。
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森の中を歩くこと10分程か。
小路を行くと、次第に視界が拓けてくる。
ここまで来ると、当然先に目的の場所が在ることは知っていた。
自然と足取りも軽く速足になっていく。
悠希の心は弾み、表情も緩む。
「あははっ。帰ってきたんだ…‼」
思わず声を上げた悠希の視線の先には、記憶にあったコテージ風の建物が姿を現せた。
「あなた‼ 着いたよ、ここが僕の仕事の拠点だった場所だよ!」
そう言いながら振り返ると、ハンターは思ったよりも離れた場所で立ち止まってこちらを見ていた。
「あっ…」
悠希は我に返ると、ハンターの元へと戻る。
「そうだったよね、ごめんなさい」
膝をついてハンターの首へと腕を巻き付けて、頬を擦り寄せた。
自分にとっては見慣れた場所で安息の地でも、野生に生きるハンターからすれば、そうではない。
天敵ともいえる人間の住む場所なのだから、ハンターが近寄らず警戒をするのも当然だろう。
そして、もっもと大切な誤解を解かなければならなかった。
それは、自分が決してハンターと別れる為に戻ってきたことではないことを…。
それをどう伝えたらいいのか。
ハンターと暮らしてきて毎日繰り返される言葉を多少は理解していそうだが、さすがに細かい事までは分からないだろう。
けれど、敏ハンターには自分の言葉の端々に表れるニュアンスで汲み取ってくれるはずだと悠希は思った。
よし、と悠希はハンターに視線を合わせた。
「ねぇ、あなた。聞いて…。」
ハンターの綺麗な瞳が真っ直ぐ悠希を見つめた。
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