アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
これでも僕、狼を研究しているんデス…。
-
大きな大きなハンターがウサギ数羽を平らげるなど、あっという間の出来事だった。
ペロリと口周りを舐めて食事を終えた。
「ハンター、それで足りるの?」
食事を終えたハンターはクルリと踵を返すと、悠希の座り込んでいる場所へと戻ってきた。
側へやって来ると、その巨体を横にする。
「カッコイイ…」
その横顔にうっとりと呟くと、聞こえていたのかハンターが視線を向けてくる。
「フンッ」
鼻先を悠希の頬へとくっつける。
「ひゃぁっ」
擽ったさに首を竦めると、面白くなったのか暫く悠希をからかってたハンターは満足したのかペロペロと頬を舐めると伏せの体勢になった。
そのままチラリと目だけを悠希へ向ける。
なんだか、その姿が可愛くて悠希はハンターの頭を緊張する手でゆっくりと撫でた。
スルスルとした艶やかな毛並み。
ハンターはそのまま目を静かに閉じて、完全にリラックスの様子を見せた。
ハンターを撫でながら悠希は今まで触れあってきた狼と違うと改めて思った。
実をいうと過去に1度だけ飼育されている狼と交流を図り発情期にのし掛かられた経験があるのだ。
だがそれは、子どもの頃から人間に育てられ人慣れしており、また狼について詳しい悠希が上手く絆を築き上げた結果そうなっただけで…。
しかし、今はよく考えると発情期ではない。
それにハンターは野生種。
普段人間の前に姿を現さないのだ。
人慣れ等しているはずもない。
しかも男達は襲われ撃退されたのに、何故自分だけが助けられ、求められたのか。
「…何でだろう」
狼の群れは、基本家族で構成されている。
リーダーの雄と雌だけが子どもを作り、大抵が生涯同じパートナー一筋で愛を育んでいくのだ。
一度決めた相手と共にしていく、一途な動物なのだ。
「って、ことは…⁉」
そうだよ、そうだった‼と、悠希は嬉しさに頬を紅潮させた。
年齢的に群れを離れて独り立ちしたハンターは、パートナーを探していてもおかしくはなかった。
ということは、子種を注いだ相手である悠希を伴侶として、この巣穴に連れてきたのに違いない。
悠希は幸せな気分に暫く膝を抱えると、そこに顔を突っ込んでムフフフと笑いを堪えていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 137