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ようこそ、リラクゼーションサロン“Agna Palace”へ
忘れられぬ夜を思い……
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「ん……」
目が覚めると日が登っており、枕元の時計は既に午前11時を回っていた。
こんなにゆっくりと眠ったのは何日ぶりだろうか。
いつもならば朝6時には自然と目が覚めるのだが、余程深い眠りについていたのだろう。
寝過ぎたせいか、少々頭はボーっとするが、身体は軽く、快調だった。
幸い、今日は仕事のオフの日だ。
ゆっくりと読書でもしよう。
そう思い、とりあえず俺はすぐに顔を洗い、服を着替えるとブランチの用意をした。
今日は、シーフードを使ったオイルパスタと、たっぷりのコンデンスミルクをかけたストロベリーパフェを作り、食した。我ながらなかなかの出来だ。
そして食事を済ませるとすぐに食器を片付け、リビングのソファに腰を掛け、読書をした。特に予定のない日は、こうして読書をすることが多い。
本を二冊読み終えたところで少し読み飽きてきたので、気分転換にシャワーを浴びることにした。
「ふぅ……。」
なかなか良い湯であった。
空はまだ明るく、あともう暫くしたら日が沈み始める時間だ。
バスローブを身に纏い、タオルで髪を拭きながら自室に戻ると、机の上に置いてある茶色の小瓶が目に入った。
「そうか、確か……。」
俺は昨夜の事を少し思い出した。
あれは昨夜行ったマッサージ店で店員から渡されたものだ。
―俺は昨夜、酷く疲れていたが、行きつけの店が休業中の為、行き慣れぬマッサージ店を訪れた。
そこでオイルマッサージをしていた筈なのだが、何故かそこの店員の男と身体を重ねる事になってしまったのだ。
男の名は確か……愛島セシルと言った。
男は巧みな腕で、俺の疲れを見事に解し、更に俺の内に秘めた性の欲望まで解放し、満たした。
初めて会った筈だというのにあ奴は何故か最初から俺の名を知っていた。
しかし、男はアグナパレスと日本のハーフらしく、生粋の日本人とは異なる雰囲気を身にまとっており、決して日本でよく見かける容姿ではない。
そう、一度会ったら絶対に忘れる訳…ないのだ。
だが、俺も何故か、初めて会うにしては違和感がなかった。
何というか…、空気がどこか懐かしいような、良くわからんがそんな感じだ。
その懐かしさがどこから来ているのか……考えてみたが、結局わからなかった。
愛島から受け取ったこの小瓶にはマッサージオイルが入っているらしく、「カミュは少し浮腫みやすいので、自宅でもケアしてください」と言われた。
しかし、渡されたものの、使い方は特に説明されておらず、良くわからん。
「全く…俺はマッサージ師ではないぞ。」
とりあえず瓶の蓋を開けると、ふんわりと甘いジャスミンの香りと、爽やかなミントの香りがしてきた。
これは…、昨日店で使用したものと同じ香りだ。
香りにはプルースト効果というものがあり、ある特定の香りを嗅ぐことで、過去の記憶がよみがえるという、不思議な現象が起きるのだが、それは今回も例外ではない。
昨夜の出来事はあまりにも強烈で、脳の奥深くに記憶としてしっかりと刻み込まれていた。そして、今その香りを再び嗅ぐことで、昨夜の情事が脳裏に鮮明に蘇ってきた。
「クッ……!」
そうだ…俺は昨日……。
無意識に忘れようとしていた自身の痴態が、フラッシュバックのように頭の中を駆け巡る。
男だというのに男の……しかも年下の男に身体を弄られ、辱めを受け、挙句、自ら求めてしまった…。
消し去りたい過去だと言うのに、鮮明に全てを想い出してしまった。
そしてそんなことを考えている間に、だんだんと身体の内が熱くなってきていることに気づいた。
「なんだ…これは……。」
熱は全体を駆け巡り、下半身はよりざわつき、疼いて来ているのを感じた。恐る恐る下を見ると、触れてもいないのにバスローブの隙間から俺のモノがみっともなく姿を見せていた。
「クソ……、何故この俺が……!!」
気づけば俺はベッドに横たわり、左手で自身のモノを扱いていた。
「ふッ…、んん……ッ!」
徐々に先端から蜜が溢れ、左手を濡らしていった。
普段性欲が皆無に等しい俺は、知識こそあるものの今までほとんど自慰などしたことがなかった。
そもそも、性欲なんて女王に遣える身である以上不要だと考えている俺は、何ヶ月かに1回、夢精をしてしまわぬよう、処理をする程度だ。
それですら億劫だと思っていた俺が昨日の今日で、まして、性欲を満たす為に自慰をする等、今までに決してありえなかった。
しかし、身体は熱くなる一方で、鼓動が早くなってきているのを感じた。
「ハ……ッ、ぁッ……、!」
身体が快感を求め、手の動きも徐々に早くなっていった。
しかし、不慣れな自分の手では、どうすれば気持ちが良くなるのかがわからず、なかなか絶頂には達してくれない。
「そう…だ……!」
俺は先程の小瓶の中から、オイルを左手に垂らし、その手で再びペニスを刺激した。
「ああ…、きもち…ぃ……ッ!」
オイルの効果は抜群だった。
甘い香りの効果で昨夜の情景がより鮮明に頭に浮かび、より興奮度が増してきた。
更に、ミントの爽快感が刺激となり、俺のモノを熱く、より敏感にさせた。
「あいじまッ……!ああッ……!」
いつの間にか頭の中では完全に愛島に犯されている姿を妄想していた。
昨夜の奴の手の動きを思い出しながら、より感度の高い亀頭を刺激してみる。
「ふ…ッ!んんんッ……!」
あとは確か愛島に胸を弄られ……。
そうだ、目隠しもされていた……。
俺は先程まで髪を拭っていたタオルで目隠しをし、オイルとカウパーでベトベトになった手で胸を弄った。
「ひッ…!!んぁッ……!」
充分に濡れていた手は胸元をあっという間に汚し、その滑りで先端をヌルヌルと刺激した。
下半身への刺激とはまた違い、くすぐったいような、ゾクゾクするような感覚が増す。
胸元を刺激することで、より愛島に弄られているような気分になってきた。
『どうしたのですか?カミュ……。こんなまだ明るい時間にそんな格好でオナニーをするなんて……。乳首もペニスも、もうビンビンでベトベトですね。昨日のセックスじゃ足りませんでしたか……?』
「う……煩いッ……!」
『ふふ、自分で目隠しまでして…。本当にアナタは可愛いですね…。ああ…今すぐにでもアナタを犯したい。』
「あ…あ…あい…じまッ…!早く…ッ……!早く犯せ……ッ!」
『今日もワタシを求めてくれるのですね、嬉しいです。でも、後ろを解さないといけませんね……。』
「うし…ろ……?」
俺はいつの間にか居もしない愛島の姿を思い浮かべ、錯覚を起こし、妄想の中のあ奴と会話していた。
そう…だ、解さないと……!
俺は未だ溢れ続けている先端の蜜を中指で拭い取り、その蜜を後孔に塗って、そのまま指を中へと挿れた。
「う……ンッ!」
初めて入れた自分の中はとても窮屈で、指に肉壁が絡みついた。
そしてその指によって俺の中には異物感を感じた。
気持ち悪い感触だが、それ以上に快感が強く、あまり嫌な感じがしなかった。
「ん…ッ、ぁ…ッ、ンンンッ……!」
しかし、滑りが足りなく、なかなか上手く指を出し入れできない。もどかしさばかりが募る。
ああ、早く解したいのに……。
「あ…ッ、そう……だ、オイル…ッ、オイルを……ッ!」
俺はオイルの存在を思い出し、目隠しをしたまま、手探りでオイルの瓶を探し求め、手の感覚だけで瓶を見つけ、握り締めた。そのまま瓶の蓋を開けてオイルを手に垂らすと、蓋も締めずに瓶を枕元に置き、性急に後孔へと塗りたくった。
「んはぁぁ…ッ、ンッ、ンンッ……!」
オイルで滑りも感度も良くなった穴へ、改めて指を深く沈めていく。
ゆっくりと指を出し入れして、中を解していくと、そこには確かな快感があった。
「前…も……ッ!んっ、あッ!まえ……ッ、気持ち…ぃ……ンッ!」
左手は後孔を、右手で前を弄りながら、ベッドに顔を埋めた。
「ハ……ン……ッ、もう……、ぃ、ク、あ、あ、あ、あ、あぁっ……ッ!!」
気づけばあっという間に絶頂に達してしまい、シーツを白濁液で汚してしまった。
「ハァ…、ハァ……ッ。」
目隠しを外し、天井を見上げた。
気づけば自慰行為を初めてから一時間程過ぎており、明るかった空が少しだけ暗くなっていた。
本来ならば、もう夕食の支度をし始める時間だ…。
しかし……。
まだ…足りない……。
俺の求めている快感はこんなものでは足りぬ……。
愛島が…愛島が欲しい……。
もっと…もっと強い刺激を……。
俺は重い身体を起き上がらせ机の上を探すと、少し太めの、丸みのあるペンを見つけた。
数秒戸惑ったが、この熱くなった身体を沈めるには、形振り構っていられなかった。
俺はペンを手に再びベッドに戻ると、オイルをペンに垂らして塗りたくった。それを後孔へあてがい沈めていくと、スムーズに中に入っていった。
「んひぃ……ンッ……。んぁ……、ぁ……。」
指よりも硬く、奥深く入ってくるペンを出し入れし、快感に酔いしれた。
でも、まだ足りない。もっと、太い物でないと、満足できない。
「ンッ…、もっと…、もっと何か…無いか……。」
もっと新たな刺激を求め、俺はペンをゆるゆると出し入れして刺激を持続させながら部屋の中を探しまわった。
カバンの中を漁ってみると、丁度先日仕事で貰った制汗スプレーのサンプルが出てきた。蓋は丸い形状で、太さも丁度ペニスと同じくらいだ。また、幸いにも未開封でビニールコーティングがしてあったので、蓋が外れる心配もない。
「は…ッ、ぁ……、これなら……。」
これなら、愛島の代わりになるかもしれない。
そう思い、期待を寄せて再びベッドに戻り、今度は枕を抱えて仰向けになり、脚を開いた。
そう、昨夜愛島と身体を重ねた時を思い出して…。
目を瞑り、ここに居もしない愛島を思い浮かべ、再び身体を重ねるかのように、左腕と両足で強く枕を抱き締めた。
「愛島……、さあ、充分解したぞ、早く、早く中に入れろ……!」
『ふふ、一人でよくここまで解せましたね。じゃあ、沢山ご褒美あげますね…。今日もアナタのカワイイ鳴き声、いっぱい聞かせて……。』
「わかったッ…、わかったから早く…ッ!」
そして右手でゆるゆると後孔にスプレー缶を入れ、ゆっくり、ゆっくりと出し入れした。
缶はひんやりと冷たかったが、しっかりと後孔へ刺激を与えてくれた。
「あぁぁッ……!愛島……ッ、愛じま……ッ!」
枕にキスをし、必死で右手の缶を出し入れした。
『カミュの口の中、とても甘いですね……。』
俺の頭の中の愛島は、余裕を持った表情で、俺の耳や胸を弄りながら俺を犯していた。
考えれば考える程に興奮は増し、俺の身体全身が愛島からの刺激を求めていた。
『カミュ…、今日は名前…呼んでくれないのですか……?』
「ぇ…?ぁ…。セッ…シル……ッ!!セシルッ…!!」
『可愛いです、カミュ…愛しています……。』
「セシルッ…、ああっ俺も…ッ……!」
スプレー缶を何度も何度も出し入れし、妄想の中で激しく愛島に抱かれた。
愛島のものが俺を犯している……。
愛島が俺に快感を与えている……。
そう思い、俺は目から涙を伝わせ、無我夢中で叫び、腰を振った。もっと、もっと深く快感を求め…。
「ああっ、ああっッ……!!」
『カミュ…ッ、イクときはイクと言って……!』
「セシル…ッ、イク……ッ、イクッ……!」
再び俺は絶頂に達し、シーツを更に白濁液で汚した。
「はぁ……ッ、は……ぁ……ッ……。」
大きな絶頂を迎え呼吸が落ち着いた頃、あたりはもうほとんど日が沈み、薄暗くなっていた。
電気をつけていなかった俺の部屋は暗く、街灯の明かりで辛うじて僅かに周りが見えた。
10分程横になったままボーっとしていたが、少し冷静になり、適当にバスローブを纏って汚れたベッドのシーツを取り替えた。部屋を片付け、シーツを洗濯にかけるも、虚しさだけが残る。
「はぁ…。俺は一人で何をしているのだ……。」
しかも、あれだけ乱れたというのに、まだ何かが足りない。やはり、一人でするのと抱かれるのとではまるで別らしい。
身体を重ねた時の体温、息遣い、甘い声……。
どれだけ妄想をしても、生身の人間とはやはりどこか違う…。
「違う…。愛島はもっと淫猥で、より俺を辱めるように…触ってきて……。」
……しまった。
自慰とセックスとの違いを考えているうちにまた想い出してしまい、身体が疼いてしまった。
しかし気づいた時にはもう遅く、身体は新たな快感を求めて、熱く火照っていた。
「ええいクソッ、どうにでもなれッ……!」
俺はバスローブを脱ぎ捨て、軽くシャワーで汚れを落とすと、服を着替え、車に向かった。
俺は車を走らせると、つい最近見たビルへと足を運び、エレベーターで5階まで登った。
デジャブを思わす、昨夜と全く同じ光景。
目の前にある扉の看板には『Relaxation salon Agna Palace』と書かれている。
そう、また来てしまったのだ、……この場所に。
ただのマッサージ目的ならばまだしも、目的は別にある。
愛島に会いたい、愛島に抱かれたい。この身体の疼きをどうにかしたい。
意を決し、扉を開けると、またあの褐色の肌の男が笑顔で待っていた。そう、俺が会いたくて仕方がなかった男、愛島本人だ。
「こんばんは、カミュ。アナタを待っていました。」
まるで俺が来るのを予測していたかのように、まったく驚きもせず、ニコリと笑った。
そして腕を引くように中へ連れ込まれ、扉が閉まると、俺を抱き寄せ、唇を深く重ねて来た。
トクンと、胸の鼓動が早くなるのを感じた。
そして俺達の夜はこれから始まることになるのだが、それはまた別の話。
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