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小競り合いからの?
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先輩はまじまじと俺の姿を見ることに夢中のようでなかなか俺の上から退こうとはしない。このまま楠木を逃がした罰で顔面タコ殴りにされるのだろうかという考えが浮かんでは消える。
しかし。
「…おまえ……腹立つくらいイケメンな。」
ついに先輩の口から出た言葉はそんな突拍子もない言葉で、ある意味意表を突かれた俺は「は、はぁ…」と気もそぞろな返事しか返せなかった。
「お前くらいイケメンだったなら楠木も俺に媚びたと思うか?なぁ?」
「……い、いえ…」
突然話が急旋回したと思って驚いたがどちらにしろ先輩からは敵対心ガチガチの目で見られることに変わりはないようだった。
ちなみに先輩の疑問に答えるとしたら「それはないだろう。」そもそも男という時点で楠木のターゲットからは外れるのだし、友達としてでさえアイツはかなり俺に塩対応だ。もういっそ男嫌いと言われた方がしっくりくるほど同性に対しての扱い方が酷い。さらに女好きだ。
「楠木は顔面差別的な発言をよくしますが根本的に男か女かでふるいに掛けてますから、この学校にいる時点で誰でも平等に望みはゼロかと…」
「誰でも平等……」
先輩はそう呟いた後に少し俯いて何やら考えているらしかった。未だ俺に馬乗りの状態で。
「話は逸れるが俺は男は中身だと思ってたぞ。顔面値がCプラスでも漢気がSなら顔面値Aマイナスくらいの男になら余裕で勝てると思ってた。今でもそれは変わらねえ。けどな、それがお前らみたいな顔面値AプラスやSクラスになってくると話は別だ。その上生徒会連中は財力値までSときたもんだ」
どうやら先輩は男の価値において独特な評価基準をお持ちの様だ。そして言わんとしていることは大体わかる。この人がどんなに努力したところで首藤君にはかなわないってことだ。そして俺もそんなチートな顔面偏差値持ってるのかすげーな。
「正直今は死ねという感情しかない」
「…………」
だれかこの哀れなCプラスを救ってあげてくれ…
「でも先輩、顔面値AやSクラスの男に寄ってくる相手って性格Dマイナスくらいが多くないっすか」
「…………たしかに」
「なら数モテなくても性格値が高い相手見つけやすいって面では顔面値Cくらいが一番質の高い恋愛できそうじゃないっすか」
「まぁな。だが甘いぞ杉原。例えば顔面値B、性格値Aプラスの相手見つけたとして、時間かけて好感度あげて濃い仲を築けたとしよう。顔面値Sの男がその相手にたまたま目をつけたとする。さあどうなる?」
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