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日常
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それ以来ずっと俺を見てくるし昨日の俺の絵を毎朝欠かさずにプレゼントしてくれるのだが、俺が起きて受け取るとその絵の特徴やこだわり、短所長所などを延々と語り続けてくるので寝たふりをしてしまうのだ。
山田が遠ざかったのを確認してそっと薄目を開けて絵を見てみる。そこには唇を触る俺が描かれているが心なしか唇が赤過ぎるし頬も僅かに上気している。まるで乙女がキスされた後の恍惚とした表情のようである。
俺はなんだかとても悔しくなった。
念のため言っておくが俺は身長が172センチあるし鍛えてるので腹筋だって割れてる。
決してこのような乙女な男ではないのだ山田コノヤロウ。
そんなことをぶつぶつと考えていると騒がしい教室にチャイムが鳴り響き、比較的真面目な我がクラスの住民はそれぞれだらだらと席に着いた。
そして全員が席に着くのを見計らったかのように教室の扉が開き、我がクラスの担任、高野雅也 通称殿が入ってきた。
「おはよー」
若干ダルそうに殿が声をかけるとクラス一同「おはようございます!」と挨拶を返す。
そこで欠伸を1つ溢し、これといって特徴のない普通のおっさんは「今日は特に何もないから読書。あ、杉原は放課後親衛隊の方の監査入ってるから風紀委員室行けなー」と言いつつ自身の椅子に座ってスラムダンク18巻を読み始めた。
一応表紙は覆われており、れっきとした本であると本人は主張するものの中身がスラムダンクであることはこのクラス内では暗黙の了解である。
そんなこんなで杉原淀の朝は過ぎていく。
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