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ある親衛隊S
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俺は最近生徒会長の親衛隊に入った。
正直親衛隊なんて何が楽しいんだかと馬鹿にしていた。小さい男がワイワイしたりジメジメと制裁の計画を立てたり、はたまた大柄の男が必死になって1人の男を取り合ったり。
そんな俺がどうしてこんな生徒会長親衛隊の集会という名のお茶会に参加しているのかというとまぁ簡単に言うと杉原先輩に近づくためだ。
去年の夏の運動会の話だ。その頃はまだ俺は中学3年だったが、うちの学校には高等部の運動会で使用したテントをOBと中等部の委員達が片付けるという風習がある。
放送委員だった俺も例に漏れず駆り出されており、面倒臭いなと思いながらも仕事をこなしてた。その間高等部の生徒は中央に集まって告白大会を始めたりそのあとフォークダンスを踊ったりする。なんで使った奴らが遊んで俺らが片付けるんだと言いたくなるがそういう風習なのでしょうがない。来年は俺らもこうするのだから。
そんな最中、「持つよ」と俺が両腕に持ってたテントの足の束を片方奪い取っていったイケメンがいた。
片付けを手伝ってて体操服を着てるってことは中等部の委員会の人間だろうが、どっからどう見ても反響を呼びそうな超絶美形な彼を俺は1度も見たことがなかった。
そう尋ねると彼は「あー、俺高1なんだよね。あの雰囲気に慣れなくて抜けてきちゃった」と苦笑いしながら高等部の人間が集うグラウンドの中央を指差した。その苦笑いすらもどこか爽やかでこの人の汗絶対ミントの香りするわと思った記憶がある。
それから俺は彼を後ろからマジマジと見た。すらっと背が高く一見しっかりした体つきだが、捲られた長袖のジャージから覗く手首は案外細くてきめ細かい。一目で縄の緊縛跡が似合いそうだと確信した。
さらに彼の首は長くて曲線がどことなくエロいのだが、それも全てを開けっぴろげに晒すのではなく少し隠すように頭髪の襟足が伸びている。チラ見せってやつだ。
何より目元がもう、何が何だか分からないがとにかく俺に「虐めてくれ!」と懇願していた。
この美形を歪め、泣きながら目を真っ赤にして懇願する様や、悔しさや苦しさで眉をひそめこちらを睨めあげる様を想像するともうそれだけで全身でオナホールの中にダイブするくらいの興奮が沸き起こった。
俺は体育倉庫にこの荷物を運び込んだ後こいつをどこかに連れ込んで吊るしてやろうと画策した。
絶対にいい声で鳴くはずだと思った。
その途中で。
「やだ、やだっ!」
微かに聞こえたその声に目の前の先輩がピタリと足を止めた。
これはそういう現場なのだろうか、と俺も足を止めた。
誰かを呼んでこようかとキョロキョロしていると先輩は荷物を地面に下ろし、堂々と音がする方へ歩いていった。
正直に言うと「こいつ馬鹿かよ」と思った。
確かに彼は体つきもしっかりしているし、どちらかといえば抱く方がお似合いと思う輩もいるかもしれない。
だが俺みたいなレベルの高い人間は確実に彼の抱かれる側としての素質を瞬時に見抜くことができるだろう。つまり彼はそういう、変態の目から言わせるととても高品質な「めちゃくちゃにしたい」人材なのだ。
そんな彼が強姦現場に駆けつけたところで鴨ネギもいいところ。
仕方なく俺は気配を殺して彼を追った。
「それは合意ですか?」
どうやら2人の生徒が1人のか弱い男を組み敷いているようだった。
「あ?………あれ、お前」
機嫌が悪そうにこちらを向いた男達は意外そうな顔を浮かべた。どうやら彼を知っているらしい。
「杉原かよ。なに、混ざりたいの?」
「いや、その子俺の知り合いなんで返してもらえないかなーと」
そう言いながら彼はポケットからスマホを取り出し素早くどこかへ連絡した。
「そーなの、こいつお前の知り合いなの。でも残念だけど返してやんねー」
「えー…先輩ったらいじわるだなぁ」
そう言う彼からはとても好戦的な色が見え隠れしており、その気配を読み取ったであろう強姦魔達は目配せをしつつニヤリと笑った。
「力ずくで取り返すか?」
すると2人組みの片方は手をポキポキ鳴らしながら彼に近寄ってきた。
「やーだなー俺たち後輩なんだからもっと優しくしてくださいよ」
「ぬかせ」
そう言って殴りかかってきた男を彼が軽い足取りでひらりとかわした時、彼が持つスマホから微かに「もしもし」と声が聞こえた。彼はスマホを耳に近づけ「あ、アッキーお仕事ー」とつかみどころのない笑みを浮かべて話し始めた。
誰だかわからないが風紀委員という単語が出てきたのと、今の場所を伝えていた会話の内容から彼が応援を呼んだのだということは明白だった。
頭に血が上ったように焦った二人組は小柄な男子生徒を放置して美形の彼に殴りかかった。
「まいったな、俺そんな強くないんだけど」と苦笑いしつつ彼は身軽にひらひらと攻撃を避けつつ隙を見つけては的確に拳を当てていった。
そうこうしていると背の高い少し鋭い雰囲気の男が、風紀委員という腕章をたなびかせながら走ってきて、男二人組を手際よく回収していった。
被害にあった男子生徒は目をキラキラさせながら「杉原様ぁ…!」などと言いつつ彼にしなだれ掛かるし彼も満更でもないように微笑むしでまぁ一件落着なんだろうがどこかモヤモヤした気持ちになったおぼえがある。
そして地面に置いた荷物を回収して、男子生徒が1人加わった状態で何事もなかったかのように体育倉庫に改めて向かったのだ。
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