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混ぜたらキケン
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「日野、インハイに向けてのカリキュラム
組んだけど見てくれる?」
「あ?ああ、総体か。
最後だし、全国へ行きてぇな」
「行くんだよ、日野キャプテン。
目指せ!国立!!」
「ああ、そうだな」
俺達も三年、負ければそこで終わり。
あの近衛を擁して、むざむざ県大会敗退とか
情けなさすぎる。
イケる、今年は絶対!
「全国にいけば当然、鷺我が出てくるね。
もしかしたら当たったりして」
「……!」
「そういえばさ、最近見ないね、あの子。
日野、もしかして何かした?」
……したどころか。
勢いでキスしちまったんだよ。
二度と来るわけがねぇ。
元はといえば、
「お前、なんで姉貴達の事喋ったんだよ?」
「ん?ああ、ゴメンね」
何がゴメンね、だ。
お陰でこっちは散々あの野郎に
馬鹿にされたってのに。
「だってさ、あの子色々日野の事
聞いてくるから、知りたんだろうなって
思ってさ」
「お前は馬鹿か」
それだけは知られたくないって
知ってる筈だろ。
何気軽に話してんだ?お前は。
「それで俺が恐喝されるとか
考えなかったのかよ?」
「そんな事しないって、いい子じゃないか」
「お前はよく知らなねぇからそんな風に
言えんだよ、ひねくれてて生意気で……」
「それだけ日野の前では自分を偽って
無いって証だろ?
つまりは慕われてるんだよ」
「俺はさ、付き合い長いから日野の
暴力や暴言に免疫あるし、悪意が無いのも
分かるから色々言えたりするけど。
一般の人から見たら畏怖対象しかないよね」
……会話の端々に俺への不満が
かなり混じってんぞ。
「どうせ日野の事だから最初から
友好的に話してないんでしょ?
それでもあれだけ物怖じしないって
中々見所あるよ」
だから混じってるって。
「単にアホなんだろ」
「…………で、何で来なくなったの?」
「さ、さぁ?」
――言えるか。
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