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‡嶋村 祥吾‡
嶋村祥吾35歳。探偵事務所社長をしている。
社長といえど 社長室でお茶を飲んでいる時間は ほとんどない。
弁護士資格も持つ現場主義の祥吾は 常に仕事優先の暮らしをしている。
しかし 現在…
大学病院の外科病棟に入院中だ。
依頼者の元夫が子供を連れ去ったと連絡があり その元夫と話をつける為に訪れた所を逆上され 肩を斬りつけられた。
深さは大した事はないが 15センチという大きな傷となってしまい 入院も5日目だ。
「退院はいつできる?」
「僕の顔を見るたびに言ってますね」
担当看護士が1日に二度 病室に姿を現すたびに 祥吾は質問していた。
「嶋村さん。仕事が大切なのもわかりますが その仕事であなたは傷を負ったんですよ?少しくらい休んでも罰は当たらないと思いますが?」
深水圭と書かれたネームプレートを首から下げた彼は クールビューティーとでもいうのだろうか。
容姿も口調も いつもクールだ。
「罰は当たらないだろうが 社員は困るんだよ」
「そうでしょうね。余程お忙しいのか お見舞いにもいらっしゃいませんし」
「…なぁ なんか俺に恨みでもあるのか?」
深水の言葉に 棘があるような気がしてならない祥吾は 眉間にシワを寄せる。
「いいえ。何か お気に触りましたか?」
ニッコリと笑いながら 否定をされるものの 目の奥は笑っていないのが 誰の目から見ても明らかだった。
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