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Scene 9
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携帯鳴る。
拓馬 今度は郁って、何なんだよ...(出る)もしもし。どうした?
郁 どうしたじゃないよ!拓馬さん、透さんに何言ったの?
拓馬 いきなり何だよ!
郁 何言ったか聞いてんの!
拓馬 何言ったって、覚えてない。
郁 嘘!
拓馬 嘘じゃないって!あー、頭に響く!
郁 えっ?もしかして二日酔い?
拓馬 そんなとこ。
郁 珍しいね、二日酔いなんて。
拓馬 だからもう少し、静かに喋ってくれたら有り難い...
郁 うん、わかった...
拓馬 で、透がどうしたって?
郁 それがね、明け方近くに泣きながらママんとこ来てね、拓馬さんにフラれたって...
拓馬 はぁ?俺がフッた?
郁 そう!もう号泣!
拓馬 憶えてねぇー...
郁 本当に覚えてないの?
拓馬 何か、透がメチャクチャ怒っていたのだけは憶えてる、微かに...
郁 透さんもさ、泣きながら喋るもんだから、何言ってんのかわけわかんなくて...拓馬さんに聞いた方が手っ取り早いと思ったんだけど...ダメみたいだね。
拓馬 悪い。本当に憶えてないんだ。
郁 いいよ、謝らなくて。(笑う)でも透さん、相当ショックだったみたいだよ。頃合い見計らって、謝った方がいいかもね。
拓馬 ...ああ、そうする。悪いな、郁にまで気を遣わせて。
郁 いいよ、そんなこと気にしなくて。だって僕はさ、拓馬さんの「永遠の恋人」だからさ!(笑う)
拓馬 永遠の恋人?何だ、それ...
郁 拓馬さんのこと本当に理解出来るの、僕だけだと今でも思ってるから!
拓馬 何言ってんだよ。大輔さんいるくせに...
郁 それとこれとは別!...僕はさ...本当はさ...
拓馬 ん?何か言ったか?
郁 なんでもない!じゃあ、お大事にね!あっ、そうそう!
拓馬 何だよ、まだ何か...
郁 今度こそ、ちゃんと向き合って...
拓馬 郁...
電話切れる。
拓馬 一難去って又一難...か...自分で蒔いた種だから仕方ないよな...さて、出掛ける準備するか...
待ち合わせの時間より、少し早く着いた。でも創一はもうそこにいて、落ち着か ない様子で辺りを見渡していた。テーブルに置かれたグラスが、どれだけの時間創一をそこに縛りつけていたか物語っていた。
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