アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
34話
-
あ、そういえば
薫の前でも話し方変わってるな
…まぁ、薫も何も言うてけえへんしええか。
自然と話していくうちに
素で会話していた
珠妃や由木の前だけにしようとしてたのに
割と簡単に作戦失敗かも
由木の事気になるし早くあみを迎えに行って帰ろう
足早に保育園へ向かった
「あっ…パパー!!!」
園内へ入り、教室の入り口付近のすぐ側にあみがいた
「あみお待たせ、帰ろっかー」
「うん、かえろー!!」
笑顔で手を握って来る姿に胸を打たれる
「いっ…一ノ瀬さん」
?
この声は…?
「あぁ、楓先生いつもありがとうございます」
振り返り、ペコっと頭を下げる
「いえ、こちらこそ…あの」
「?」
何かを言いたいのかずっとモジモジして
なかなか口を開かない
…何だろう?
「どうかされました?」
陽が先に口を開いた
「あの…ひとつ、質問が…」
「はい?」
急に改まって、どうしたんだ?
「さ、桜井さんとは…その、どういったご関係で…?」
「え?」
由木?
なんで?
「いっ、いや…!あの、今度の家庭訪問で…その、資料をまとめないといけないので…家族構成とか」
随分、めちゃくちゃな聞き方をして
自分でも何を言ってるのかわからなくなる
「…えーと、そうですね…では母親代わりという事で」
「はは、おや…代わり…」
「はい、そうしといて下さい。…では失礼しますね」
ニコッと笑い背を向ける
「ねぇパパ?ゆきちゃんママなのー?」
右手をグイグイと引き、陽を見上げて尋ねる
「そうだよー?ママっぽいでしょ?」
「…うーん、あっほんとだ!おうちのこといっぱいしてるもんね!そっかママなんだー!!」
二人の会話が鮮明に聞こえる
やっぱり…なんか、そういう事か。
付き合ってんだな、あの二人…
「…うぅ、くっそー、諦めるしかないのかー」
拳を握り床を見つめる
そりゃ仕方ないね、一緒に住んでちゃ敵わない。
あの桜井さんだし、元々超美人じゃん
なんか男の僕でも見惚れちゃったし、毎日一緒にいれば
そういう関係にもなるよね、そうだそうだ。
「…はぁ」
深い深い息を吐く
当分病んじゃいそうだな…
モヤモヤしながら身支度を済ませる
そのままフラフラと千鳥足で自宅への帰り道を歩いた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 116