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62話
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シャワーを浴び、水滴を拭き取る
頭をガシガシ荒く拭きながら由木の元へと足を運ぶ
「由木ー、出たー」
「ん、…て、あれ?服あったでしょ?」
「あ見てなかった」
「もー…。持ってくるから待ってて」
ベッドに掛けていた腰を持ち上げ
陽の横を通り抜けようとした時、後ろに腕を引かれてバランスを崩した
「わっ…!」
「なぁ由木、今何考えてる?」
「え?」
「なんか俺に言いたい事あるんちゃうん?」
「な、なんで…」
「そんな顔してる」
「…」
鋭い
そんな変な顔してたかな、僕…
言いたい事…
あるよ、いっぱいある…。
不安な事がいっぱいあるよ
情けないくらい自信がなくて、さっきの香りに嫉妬してる。
だって、あんなにハッキリ分かるぐらい
近くに寄ってたって事でしょ
あんなに、香りが付くぐらい…
「…別に、ないよ」
強がった、強がっちゃった…
「ほんま?」
「うん、本当に」
陽がジッと見つめる
その視線が今は避けたいくらいに真っ直ぐで
目を合わせられない
「俺に隠し事すんの」
「別に、隠し事なんて…本当に何もないもん…」
「ふーん」
「…」
「服取ってくるわ」
「あ…」
スッと腕に何の力も感じなくなって
陽が寝室から出て行った
変な空気になっちゃった
僕のせいだ…
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