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なんでもなくない
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銀の家についたけど気持ちは暗く落ちたままだった
普通に振舞おうと思えば思うほどそのことばかり考えてしまってダメだった
それにここ数日の寝不足のせいかあんまり体調がよくない…
今もなんだか頭がぽやーっとして靄がかかったみたいだ
「まなやっぱ体調悪いやろ?」
「……ん…」
「別に無理に来なくてもよかったんやで?ほら、ベット座っとき」
「…………」
銀の優しさなんだと思う、でも今の俺は「別に無理してこなくてもいい」っていう言葉ですら俺が来なければそしたら静香さんに会える時間ができるからとかそんな事ばかり考えて余計に自己嫌悪になる
銀が俺をベットに座らせてなんか飲み物持ってくるからと言って部屋を出て行った
銀のベットに横になる
………銀はこのベットでオレ以外と寝たことがあるのだろうか…
そう思うと無性に悲しくて我慢してたのに涙が出てきた
止れ…銀が戻ってきてしまうから……止まって…
そう思っても一度溢れてきたものは止まらなくて濡れてしまうと思っても銀の枕にキュゥッと顔を押し付けて声を押し殺して泣いた
止らない…
銀が部屋に戻って来た気配がしたけど涙も止まらなくてギュッと口を引き結んで泣いた
見られたくない
「…まな……?」
「…………」
「なしたん…」
「…………」
銀がサイドボードにカップを置いて俺の頭に手を置いて尋ねる
優しい声に余計涙が誘われた
「なん…でも、ない…」
「まな」
「なんでもない…」
「なんでもなくない」
「…なんでもない……」
「ダメ、まな言って」
銀が俺の体の下に腕を差し込んで体を起こそうとする
手で銀の体を押していやいやしたけど銀の方が力が強いから抱き起されてしまう
キュッと口を閉じて顔を見られないように逸らしたけど無駄な努力だった
銀に顎を掴まれて強制的に目線を合わせられる
ぶわわっと余計涙が出た
目を閉じても止まってくれない
「まな、オレ言ってくれない方が傷つくんやけど?」
「…………」
「まだ言わん?」
「…………言う…」
「よし」
「…………」
銀は俺を自分と向かい合わせになるように足の間に座らせた
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