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おまけ むっつり
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「なんで猛無視するの!!」
「……無視してるわけじゃないです…ただ…」
「ただなに!?」
紺庄先輩がずいっと顔を覗き込んでくる
先輩の香りが鼻先をかすめた
なんか…やばい…
少しだけ先輩との距離を取ってから目を逸らして口を開く
「そ、その…」
「なに!!」
オレが広げた距離が先輩によってつめられる
……この人は…
「だ、から…先輩にそう言うコトされると止んなくなりそうなんスよ…」
「何が?」
「………だから…いっつも言ってるじゃないですか…」
「何を?」
先輩がむーっと顔をしかめたままさらにずいっと顔を寄せてくる
「だ…だから…!!先輩のこと押し倒したり、そう言うコトしたくなるんです!!」
「!!」
そう言うと先輩は驚いて少しもじもじした後口を開いた
頬を赤く染めてかわいらしい
「あ、あのね…」
「………なんすか…」
「その…さ…してもいいよ…」
先輩がもごもごと口ごもりながら続ける
「猛がね…その……遊園地行った日に着てたの…見たいって言ってた…でしょ…?」
「………」
先輩が話しているのは多分下着の話だ
正確にはオレは見たいと言ってないけどまぁ見たくないことはないから黙っておく
「あれね…着てるの…猛が見たいって言ってたから…」
「………」
何かがブツンと切れかけたのを慌てて理性でつなぎとめる
頬を赤らめもじもじと体を揺らす先輩がひどく扇情的に見えた
そう言えば今日はバイトもないし、頬付先輩から貰ったチェーン店タイプのラブホテルの割引券も財布の中に入ったままだ、姉貴が面白半分で入れた避妊具なんてものまで財布に入っている
「………」
「……猛…?」
先輩が赤い顔のまま固まってしまったオレの顔を覗き込んでくる
切れかかってた物が完全に切れた
その日オレは人生で初めてラブホテルというものに入ったけれど今日ほど頬付先輩に感謝したことはなかった
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