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安心して
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「……ん…んんん…」
「……まな…?」
「……ふぁ…ぎ、ん…」
徐々に意識が覚醒してそれにつれて腰がズキズキと痛んだ…
なんだか喉もイガイガするし頭も痛い…
そんな不快感に顔をしかめて目を開けると銀が満足そうな優しい顔をして俺を見ていた
あー…昨日こいつに流されて結局やっちゃったんだ…
はー…っと息を吐いて目をつむっているとおでこのあたりをなでなでと撫でられた
前髪をかき分けて銀のひんやりした手がおでこに触れる
………きもちい…
それから銀は水を持ってきて俺に飲ませてくれた
喉のイガイガが少しましになってほっと息をつく
「まな、まだ6時やで?もうちょっと寝ててもええよ?」
「……ん…いい…起きとく…」
「そう?」
今日…銀は遠くに行ってしまう…
目をつむったままもぞもぞと動いて銀の体に腕をまわして抱き着いた
銀の胸に額をくっつけると銀の心臓がとくとくと動いているのがわかった
こうやって…一緒のベッドでくっついて寝るのもしばらくできなくなるんだ…
そう思うときゅうっと胸が苦しくなった
「………まな…?寂しいん?」
「………」
頭の上から銀の声が降ってくる
俺は質問に答えなかった
銀が俺の頭を撫でる
今この瞬間が幸せで涙が出そうだった
より銀の体に自分の体を押し付ける
銀の体温を体全体で感じ取ろうとした
……体全体で相手の体温を感じる心地よさも…誰かと一緒に眠る幸せも…こうやって頭を撫でてくれる人がいる喜びも全部銀が教えてくれたことだった
行って欲しくない…
胸が苦しかった
「………大丈夫やで…まな…大丈夫…」
「……うる…さい…大丈夫じゃ、ない…」
「なんで?大丈夫やって~オレまなの事大好きやもん、まなもやろ…?」
「…………うるさい…」
銀がははっと笑う声が聞こえた
そんな事はわかってるんだ…
銀が俺の事を本当に好いてることだって、俺が銀の事好いてることだって…
別に銀か俺のどちらかが浮気しちゃうんじゃないかって心配してるわけでもない…むしろそんな心配1mmもてない…
それでも胸がきゅってなってどうすることもできないから切ないんだ…
でも……
ぎゅうっと銀の体を再度きつく抱きしめそれから力を抜いた
銀から体を離して見上げる
銀はなんだか驚いたような不思議そうな顔をして目をぱちぱちさせていた
今までの俺だったら…ここで切なくて、どうしようもなくて泣いたり銀を困らせたりしたのかもしれない…
でも今は違う…今日は…今日だけは泣かないって…銀に笑って行ってらっしゃいって言うって決めたんだ
最後にもう一度銀の胸に頭を押し付けてから離れた
体を起こしてベッドがら降りる
銀は目をぱちぱちしてこっちを見ていた
なんだか自然と笑みがこぼれた
「…今日…朝ごはん俺作るね」
「あ、あぁ…」
そのまま銀に背を向けて部屋を出た
銀には安心して欲しかった
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