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思い知らされたことは。
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「……ただいま」
無人の家に、俺の声が響く。俺は重い体を引きずって鍵を閉めると、上がり框に腰かけた。なんか、体が怠い。
それはもしかしたら、葉月さんに会ったからかもしれない。……はは、俺の体って、こんなにも心の動きが影響するものだったんだ……性質悪いな。
あの後葉月さんたちと別れて、俺とアキくんはプレゼントを買いに行った。もちろん葉月さんへのもの。アキくんからアドバイスを求められたような気がするけど、「ストラップとかいいんじゃない」とテキトーに答えたことしか覚えていない。
それほど、葉月さんとの出会いは衝撃的だったということだ。
……覚悟は、していた。いつか会ってしまうその時を。でも、予想以上にショックはでかかった。
アキくんに、彼女がいるって、本当に、思い知らされてしまった。
アキくんは、優しい目をしていた。大事なものを見る目だった。……好きなんだって、葉月さんのことが好きなんだって、はっきりとわかった。
「あはは……アキくん、辛いよぉ……」
こんな時でも俺が呼ぶ名前がアキくんなんだってことに笑えてしまった。同時に涙もあふれてきたけど。
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