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ずっと一緒だった。
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「はい、これ。ありがと」
教室で借りたノートを突き出すと、中川はにやっと笑った。そして、ノートは受け取らずに机に肘をつく。
「今井お前、さっきアキくんとケンカしてたな」
「……それが?おまえには関係ねーだろ」
「いや?珍しいなーと思って。お前らいつでも一緒じゃん」
「……そんなことねーよ」
「いやいやあるって。保育園の頃からずーっと二人で仲良しこよしでさぁ。コースケくん、俺とも仲良くしてくんね?」
「キモ」
ひでーなと笑ってやっと中川はノートを受け取った。
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授業中、何度も中川の言葉が頭をよぎった。
『お前らいつでも一緒じゃん』
『ずーっと二人で仲良しこよし』
……その言葉は、ある意味、事実だった。でも、それは俺がずっとアキくんを追いかけてきたからだ。恋愛対象として好きだと自覚する前も、俺の目にはアキくんしか映っていなかった。アキくんしか見ていなかった。
この先一生、ずっとアキくんを……いや、アキくんと隣にいる誰かを、俺は眺め続けるのだろうか?
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