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悲劇ノ少女
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「ごめんね、桜場くん。今まで伝えられなくて...」
「いいよ、話してくれてありがとう...」
鈴香は、生まれつきじゃなかったんだ。
声が出なかった理由...それは、母親が亡くなったショックからきた、心因性発声障害だった。
「今声が出るのは多分、事故のショックで、戻ったんだと思う...。」
皮肉なものだ。
事故にあい、命すら危なかった。
でも声が出せるようになった...。
声が戻ったことは喜ばしいことかもしれないけれど、素直に喜ぶことは、到底僕には出来なかった。
「桜場く...」
「ごめん、トイレ行ってくるね」
僕はこの場から逃げ出したくて...。
駆け足でトイレへ向かった。
「ごめんね、桜場くん...。」
ごめんね、と、聞こえた気がした。
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