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荷物を取りに
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綾「おい…これに乗るのか?」
俺は今、駐車場に来ている
風「そうだけど、どうした?」
いや、どうしたも何も、なんだよこの高級車!
つーか、絶対アレだろ!
綾「なぁ、風にぃ…」
風「何?」
綾「これってアレだよな…?」
風「あ?アレって何?」
綾「いや、俺の見間違えだったら悪いんだけど…
コレってさ、BMW…だったりする?」
風「…ああ、ココに書いてある通り
まぁ、BMWでもアルピナの方な、ほらココにあるだろ
んで、型はb4カブリオ」
結構前に買ったやつだけどなー、と言っている風にぃ。一言言わせてもらう!
これから家に荷物を取りに行くだけなのに、普通真っ黒なBMW乗りますか!?
風「おい綾瑠、そこで悶えてないで早く乗れ」
綾「いや、だって…こんな高いやつに乗れない」
風「……じゃあさ、兄貴に許可もらって、コレより
約1000万高いランボルギーニにでも乗せてもらうか?」
綾「い、今すぐ乗らせて頂きます!」
綾瑠は恐る恐る車に乗り込みシートに座った
風「おいおい、今からそんなに緊張してたら
これからどうするんだよ」
風翔はそう言いながらサングラスをかけ車を出した
綾「いや、これで緊張するなとか無理がある………え?
これから…?」
風「同じ家になるんだし乗ることになるだろ?
あと、大学の送迎もあるだろ?それから、」
綾「ちょい待て!同じ家だからって理由は分かった!
だけどその後は聞き捨てならん!」
風「大学の送迎か?普通だろ」
綾「いやいやいや!全然普通じゃない!
てか、送迎って…もしや……!」
風「決定事項なんで変更不可能、これ命令な」
ですよねー………この様子じゃ説得したって無駄だな……はぁ…これから目立つな…
それと今更なんですが、今も十分目立ってます…
そりゃそうだよね!こんな真昼間から高級車の真っ黒なオープンカーが人通りの多い道走ってたら目立ちますよね!
家に荷物を取りに行くだけなのに着替えろって言われて不思議に思ってけどこういう事ね!
てか、なんで俺の服のサイズ……あー、採寸か?
それより、今日が寒かったら良かったのに!そしたらオープンカーなんて乗らなくて済んだのに!
風「はぁ…また信号引っかかった…」
綾「しょうがないだろ、昼間の大通りは混むんだから」
風「もう少しすいすい進んでもいいだろ」
綾「まぁ、それも分かるんだけどさ…風にぃ…」
風「なんだ?」
綾「あのー…周りの視線がヤバイんですが…」
風「んなの、これからずっとなるんだから慣れろ」
綾「高級車乗ってまだ数分しか経ってない俺に言うか?
それ…」
風「だから慣れろって言ってるんだろ?」
綾「そうだけd」
綾瑠が言いかけた時、ちょうど斜め前に信号待ち待ちしている2人組の女の子たちの声が聞こえた
「ヤバイヤバイ、あの人達凄い綺麗!」
……綺麗って言われたの初めてだな…ちょっと嬉しいかも
綾瑠は少し恥ずかしくなり下を向いた
「思った思った!美男美女だよね?」
……はぁ!?美女!?2人とも男ですけど!?
風「…ふはっ」
「運転してる彼氏超イケメン!隣の彼女さんも
金髪で肌も白くて羨まし過ぎる!」
「お似合いカップルってあの人達のことを言うんだよ」
カップル!?
「確に!…あ、信号青になった」
その声を合図に女の子達は歩き始め、風翔もアクセルを踏んだ
綾「……………………」
風「お似合いカップルだとさ」
綾「俺男なんだけど!」
風「いいじゃん、美女って言われたんだからさ
それに幸先いいし」
綾「幸先?」
風「兄貴の所のキャバクラで働くだろ?
女装する前から相手を、しかも女子を欺けるんだから
女装したらもっとバレないってことだろ?」
綾「そうだけどさ…なんか複雑」
風「仕方ないだろ?綾瑠パッと見女にしか見えないしさ」
綾「酷っ!俺だってスーツとか着たら
ちゃんと男に見えるんだからな!」
風「はいはい」
綾「絶対信じてないだろ!」
風「信じてるよ」
綾「嘘だな!」
風「本当だ、綾瑠はふざけた冗談以外
嘘つかないから信じてたし、今も信じてるよ」
綾「……なら…いい」
はぁ……風にぃと会話すると調子狂うな
まぁ、雷にぃもだけどさ……
なんだろう普通言えないような言葉をこう…サラっと、言っちゃうんだもんなぁ……
…………でも、悪くないかな…こういうのも……
風「何1人でニヤニヤしてんだよ」
綾瑠は笑顔のまま風翔の顔を見て言った
綾「別に、ちょっと良いかなって思ってただけ」
風「……っ…あっそ」
風にぃ返事は短かったけど口角が少し上がっているのが見えて、俺もまた笑った
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