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注意 2
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1時間後
「ふー……ご飯は炊き上がったから、後は最終確認で
鶏肉に火が通ってるか見て…溶き卵を落としたら
出来上がりかな?」
綾瑠は時計を見た
………少し速かったか?まぁ、でも冷めたら温めてばいいし、大丈夫だな
ピーンポーン…ピーンポーン……
あ、兄ちゃん達が帰って来たのか?
たったったったっ………
『ですから何があっても、何と呼ばれても
どんな声がしても、どんなモノが見えても絶対に
玄関のドア、家にある全ての窓を開けないで
くださいね?』
あっ……そうだ…兄ちゃん達と約束したんだったっけ…
絶対に開けないって……来た人には悪いけどまた来てもらおう
そう思い綾瑠は踵を返した
ピーンポーン……ピーンポーン……
あー、来た人ごめんなさい、出れません、兄ちゃん達との約束は破れません
数分後、インターホンの音はあれっきりならなかった
それにしても、兄ちゃん達が言う仕事関係の厄介な奴ってどんな人なんだろう?兄ちゃん達より偉い人とか?
それにしても遅いな…まぁ、帰宅は10時頃って言ってたけどさ、そんなに大変なのか?
綾瑠はキッチンに戻り具材の様子を見て溶き卵を満遍なくかけた
「よし、完成っと」
今日の夕飯は決めてあった通り親子丼に昼間に残しておいたポテトサラダ、それから追加で人参と玉ねぎとベーコンの入ったコンソメスープも作ってみた
「早く帰ってこないかなー」
綾瑠椅子に座り、脚をぶらぶらさせながら2人の帰りを待った
暫くして
………ガチャガチャ…ガチャン
あ、帰って来た!
綾瑠は勢い良く立ち上がり走って玄関に向かった
綾「兄ちゃん達おかえり!」
雷&風「ただいま」
おう!」
雷「後でこの中にあるものを使うので、
ソファに置いて来てくれますか?」
綾瑠は了解、と笑いながら雷翔から鞄を受け取った
雷「…クスクス…わざわざ走って来て、
そんなに私達に会いたかったのですか?」
綾「なっ!?」
風「バタバタバタッ、って音がしたぞ?」
真っ赤にした綾瑠の頬を風翔はニヤニヤしながらつついた
綾「別に、寂しくて早く会いたいなって思っ…
じゃなくて!…ごはん……そうご飯!
出来立てを食べて欲しくてさ!」
綾瑠はあわあわと手を振り早口でそう言った
雷「ふっ…そうですか
では、急いで着替えなくてはいけませんね、風翔?」
雷翔は少し噴き出しながらニヤニヤしたままの風翔に顔を向けた
風「ああ、そうだな」
雷翔と風翔は靴とジャケットを脱いでリビングに向かった
綾瑠もその後を追った
綾「兄ちゃん達、ジャケット頂戴。あとズボンもな」
雷「何故です?」
綾「だって脱ぎっ放しにしそうだから、特に風にぃ」
雷「確かに風翔はいつも脱ぎっ放しですよね」
風「だって面倒だし」
綾「だから頂戴って言ってんの
えっと…雷にぃは自分でやった方がいいか?」
雷「いえ、これからは綾瑠に任せます
私達の服は全て2階の洋服部屋にありますから
収納も任せます、それからコーディネートも
頼む時があると思うのでよろしくお願いしますね」
綾「えっ!?コーディネート!?
俺、センス良くないから無理!」
雷「心配いりませんよ、それにいきなり
全身してくださいとは言いませんよ
まずはアクセサリーやネクタイ、タイピン等を
一緒に選んで頂きたいんです
私達だけですと、どうしても同じような意見しか
出なくて、服装のレパートリーが少ないんですよ」
そう言って苦笑した
風翔は頭の上で手を組み、眉間に皺を寄せて言った
風「なぁ、服とかこれからの話もいいけどよ
腹減り過ぎて死にそうだからさ、早く食べねぇ?」
綾「そうだね、急いで準備するから着替えて待ってて」
雷「はい、分かりました」
綾瑠は笑顔で走って行った
風「さーてと、さっさと着替えて綾瑠の手料理
食ーべよーっと」
2人も階段を登り始めた
雷「……風翔…」
風「何?兄貴」
雷「………綾瑠のエプロン…」
風翔はそこで雷翔の言おうとしていることが分かった
2人が階段を登りきった所で風翔は雷翔の左肩にポンッ、と手を置いた
風「兄貴…絶対使おうな」
雷翔は右手で両目を覆った
雷「それはいつになるのでしょうか?」
風「さあな、それは綾瑠次第だ」
雷翔は風翔の答えに対し、どこまで耐えられるでしょうか……、と呟いたのだった
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