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注意 3
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綾「はい、どうぞ
手の凝ったものじゃなくてごめんな」
風「いや、今までインスタントと外食だけだったんだぞ?
だから、十分手の凝った料理だよ」
雷「それに、綾瑠の手料理が食べれるんですから
何の文句もありませんよ」
綾「そ、そうか…」
風「じゃあ、食おうぜ」
全「いただきます」
風「……うん、美味い!流石俺の嫁」
雷「俺の、ではなく私達の嫁です」
…はぁ………雷にぃも風にぃも、さらっとこういう事言うんだよな……あー…恥ずかしい……
これ以上何か言われたら心臓変になりそうだし、話題少し変えるか…今日の事の報告もした方がいいだろうし
綾「今日は統一性なくてごめんな
明日からは和と洋、イタリアンとかで分けるから
あと、リクエストとかあったら教えてくれ」
雷「特に分けなくてもいいですよ、
私は綾瑠の手料理が食べられればいいので」
風「右に同じく」
綾「…そうか、でもリクエストはしてくれると助かる
考えるのも大変になってくるからな」
雷「そういう事でしたら」
風「了解」
綾「それとさ…」
綾瑠はスープの入ったカップを持ちながら2人に言った
綾「今日来たよ、家のチャイムがなった」
2人の目つきが少し鋭くなった
風「出てないよな?」
綾「勿論、兄ちゃん達との約束を
破ったりするわけないじゃん」
風翔はならいい、と言って安堵し残りのご飯を食べ始めた
だが、雷翔の表情は変わらなかった
雷「綾瑠、声は発しましたか?」
綾「いや、出してない
でも、その時は丁度夕飯作ってたからさ
居留守使ってるのはバレてると思うぞ」
雷「そうですか…」
雷翔は出していない、の言葉を聞いてやっと表情が戻った
雷「なら、いいです
居留守は私達も普段からしているので大丈夫ですが、
私達以外の声が聞こえたとなると色々面倒ですからね」
綾「そんなに面倒なのか?」
風「まぁ……そうだな…厄介な爺どもが沢山いるよ」
風翔はクソ狸爺共が、とスープを飲みながら悪態をついた
雷「ですから、その人達と無関係な綾瑠を
会わせて変な事に巻き込みたくないんですよ
それに……離れていては何かあっても…
綾瑠を守る事ができませんから…」
……あ、そうだった……俺、死ぬんだよな………
綾「…なぁ、聞いてもいいか?」
雷「どうぞ」
綾「俺が17年後…まぁ、今現在のいつ、何で死ぬかは
分からないんだよな?」
3人の間に沈黙が流れた
風翔は、既に完食して空になっていた器を見つめながら言った
風「ああ…分からねぇ…」
綾「例えば、次瞬きした瞬間撃たれて死ぬ、って事も
有り得なくはないって事だよな?」
雷「…………そうですね…全くの0、という訳では
無いですね…」
綾「そっか…」
風「ごめんな、綾瑠」
綾「何で風にぃが謝るのさ」
雷翔と風翔は2人揃って目線を下げた
風「俺らがもっと強くて、頼れる奴らだったらさ
綾瑠をこんなに不安にさせることも、
危険な目に遭わせることも無かったんだ…」
そんなことない…
風「それに俺らがもっと早く…力を操れるように
なっていたら綾瑠の知らない間に、気づく前に
解決出来たかもしれない…」
綾「それは突然突拍子も無い事言われたんだから
仕方が無い事だよ」
雷「いえ、風翔の言う通りですね…私達がもっと…」
違う…!
綾瑠は自分の事で2人を追い詰めて、苦しめている状況をどうにかしたかった
風「だからさ、」
バンッ
綾「雷にぃ!風にぃ!」
綾瑠は風翔の言葉を遮るようにテーブルを叩き立ち上がった、そして声を張り上げ言った
綾「確かに俺は不安だし、いつ殺されるか分からない
この状況が凄く怖い
でもさ、俺は兄ちゃん達が必ず守ってくれるって
言ったから明るくいようって、泣いていないで
解決策を兄ちゃん達と見つけようって!
俺、あのビルでもそう言ったよな!」
雷翔と風翔は綾瑠の立てた音と声に驚いた
お願いだ、分かってくれよ!
綾「そう思っていたのに……それなのになんだよ!
兄ちゃん達が兄ちゃん達自身をずっと責めて、
もっとこうしていたらだの!うだうだ、うだうだ
言って!そんなんじゃ俺が腹括って兄ちゃん達と
一緒に自分の死に立ち向かおうって決めた意味が
無いじゃないか!」
頼む…伝わってくれ……
綾「俺は兄ちゃん達や蒼みたいに特別な力も能力も
何も無い、ただの弱っちい人間なんだよ!
だから兄ちゃん達と一緒じゃないと何も出来ないし、
何も分からないんだ!
…自分の命1つすらろくに守れない……
情けない奴なんだよ!」
あ………涙…何で………
雷「綾瑠……」
綾「俺はあの時もっとこうすれば良かったなんて
思いたくない!後悔したくないんだ!だから!
だから…だか、ら……うぅ、っ……」
風「綾瑠、」
綾「もういい!兄ちゃん達のバカッ!勝手に悩んでろ!」
風「綾瑠!」
綾瑠はそう言って走りだし階段を駆け上がったが…
ガシッ
雷翔が綾瑠の腕を掴んだ
綾「なんだよ!」
雷「私の話を聞いてください」
綾「もっとこうすれば、ってのはもう聞きたくない!
離せよ、雷にぃ!」
綾瑠は雷翔の手を振り払おうとしたが雷翔はそれを許さなかった
雷「違いますから、聞いてください!」
綾瑠は雷翔の声の大きさと表情に驚いた
いつもは綾瑠や風翔を宥めるような、包むような優しい話し方や雰囲気だったが、今はどちらにも当てはまらない命令するような、反論を許さないものだった
綾「…分かった……」
雷翔はふっ、と表情を緩めて腕を離し、手を差し出して言った
雷「ここでは話しにくいですから戻りましょう?」
こくん、と頷いて少し躊躇いながら雷翔の手を取り、一緒に階段を降りた
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