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話していないこと
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3人はソファに場所を移し、右から雷翔、綾瑠、風翔の順で座った
雷「綾瑠、まずは謝らせてください
綾瑠が1番不安で怖いはずなのに2人揃って
弱気になってしまい、すみませんでした」
風「俺もすまなかった」
綾「いや、いいよ…俺の気持ちが2人に伝わったなら
ほら、頭上げろよ。このままじゃ話も出来ないだろ?」
2人はありがとう、と言って頭を上げ綾瑠の顔を見た
綾「んで?話って何?」
雷「はい、まずは私達の事でまだ話していないことを
綾瑠にお話します」
綾「話してないこと?」
綾瑠は少し首をかしげ雷翔を見た
雷「風翔、私から話してもいいですか?」
風翔は黙って頷いた
雷「では……綾瑠、前にもお話して分かっていると
思いますが、私達はただの人間ではありません
動物と神の力を持っています」
綾「ああ、分かってるよ
習得するのにたくさん時間がかかったんだろ?」
雷「はい、その力の事なんですが…種類は違いますが
持っている人はこの世に沢山いるんです」
………え?
雷「その力を持った者達だけの社会、つまり化身の社会
通称、裏社会があります」
綾「け、しん…?」
雷「はい、神の力を持つ者、または動物の魂を貰い
姿を変える者達だけの社会です」
綾「……そんな社会が本当にあるのか?」
雷「はい、あります
現にその社会は私と風翔で仕切っていますから」
綾「え、ちょっと待て、少し整理させてくれ」
えっと…力を持った人が兄ちゃん達と蒼の他にも沢山いて、その力を持った人達だけの社会があって、それを仕切っているのが兄ちゃん達…って事だよな……
風「綾瑠、大丈夫か?」
風翔が綾瑠の顔を覗き込んだ
綾「ああ、大丈夫…自分なりに整理できた
でもさ、兄ちゃん達が仕切っているなら何で
厄介者がどうとかー、ってなるんだ?」
雷翔と風翔は少し顔を顰めた
雷「この社会は、力と知識が全て。約5000年以上
続く世界を小さくしたものなんです」
5000年!?
雷「ですから私達は、年的に新参者、
つまり下っ端なんです」
綾「え?でも今…2人がトップだ、って……」
雷「はい、本来なら下っ端なんです
ですが先程も言ったように、この社会には魂か力の
どちからだけを持っている者しかいないんです
では、そんな力と知識が全ての社会に
魂と力の両方を持った者が現れたらどうなるでしょう?」
綾「……他の人よりも力がある兄ちゃん達が上になる」
雷「その通りです
ですから私達は古株の人達を抜いてトップに立てたのです
本来なら有り得ないことなんですよ」
風「んで、それが気に食わねぇ爺共が
たーくさんいる訳だ
まぁ、そりゃそうだよな何年も掛けて築き上げた地位を
フラッと現れたら若造2人に簡単に抜かれたに加え
命令されちまってんだからな」
って事は、兄ちゃん達に恨みを持った人もいるってことだよな……
雷「勿論、私達の味方で力を貸して下さる爺様方も
たくさんいます
ですが、その反対に潰そうとしてくる方もいます
その人達が綾瑠に危害を加えてないとは限らないんです
ですから家を出る前に、ドア、窓を開けないようにと
言ったんですよ」
…………ん?
綾「加えてない?加えないの間違いじゃないのか?」
雷「いえ、今まで綾瑠の周りには怨みが込められた
神力や霊力の塊が彷徨いていることが多々あったので
可能性は十分あります」
綾「…見えないって怖いな」
俺は知らない間に殺されそうになってたってことか…じゃあ兄ちゃん達がいなかったら、とっくに殺されて死んでたのかな……
風「安心しろ、絶対に俺達が守ってやるから」
綾「ああ、信じてるよ」
それにしても凄いぶっ飛んだ話だな……バイトと大学に明け暮れていたこの前までとは大違い…
綾「あ…雷にぃ、蒼は……地位って言うのか?
それはどの辺なんだ?」
雷「蒼には私達の補佐をして頂いてます
蒼はオーラもですが怨念などの念も見ることが
出来るので本当に味方か、
それとも敵かを見極めてもらってます」
綾「へー、じゃあ若い3人が爺さん達を差し置いて
仕切っているってわけか……そりゃあ不満がある
爺さんの1人や2人は出るよな……」
風「でもよ、何で綾瑠が狙われてるんだろうな
俺らに恨みがあるなら俺らを殺しに来ればいいのによ」
雷「私達が不死身なのを知ってるからじゃない
でしょうか?だから、綾瑠を狙った」
風「それだったらあの時のおっさんの言っていた事と
矛盾する、もし兄貴の言う理由だったら俺らは薬を
飲む必要は無かったはずだ」
雷「確かにそうですね…でしたら綾瑠は何に
狙われてるのでしょうか?」
風「それが分かってたら苦労しねぇよ」
綾「俺も外に出る時は気をつけるな
兄ちゃん達みたいな力とかは無いから念とかは
どうしようもないけど、目に見える物理的なモノ
とかは俺にも何とかできるかもしれないからな」
風「でも、無理はするなよ?綾瑠のことはちゃんと
俺らが守ってやるからさ」
綾「分かってる、頼りにしてるよ」
綾瑠は、一時的でも2人の不安を少なくしたくて、2人の腕を自分に引き寄せながら笑った
2人は驚きながらも笑っていた
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