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昔の蒼 3
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魁「みんな、迷惑かけてごめん。」
雷「蒼は?」
魁「落ち着いて眠ったよ」
雷「そうですか」
成「なぁ、さっきの説明できるか?」
魁「……僕はまだ幼い頃だったから合ってるかは
分からないんだけど…実はさ…僕と蒼の目の前で
人が刺されたんだ。犯人は1人刺した後も
周辺にいる人を無差別にどんどん刺して行ったんだ…
変な奇声をあげながらね」
風「タチが悪いな」
魁「そうだね…蒼は怖くて動けなくなった僕を
抱き上げて逃げようとしてくれたんだ。だけど……」
成「だけどなんや?」
魁「…だけど、犯人がさ……急に言ったんだ」
『鮫島蒼、お前のせいで俺に刺されている
コイツらを見捨ててのうのうと生き延びようと
しているのか?』
風「なっ!?」
魁「僕は蒼の肩越しに犯人を見た…そしたらさ、
大量の返り血を浴びた犯人がこっちを見て
笑っていたんだ……ナイフから血を滴らせながらね」
雷「面識は…?」
魁「なかったみたい。蒼は犯人の言葉を聞いて
勿論振り向いた。そしたら急に震え出したんだ」
風「なんでだ?犯人がこっちに向かって来たのか?」
魁虎は首を振り言った
魁「犯人はナイフを持っていない方の手で
胸ぐらを掴んで人を1人宙吊りにしていたんだ。」
風「それで震えたのか?」
魁「多分ね…知り合いだったんじゃないかな?
そのことに対してはどれだけ時間が経っても
教えてくれなかった。……それでさ、その直後に
宙吊りにされてた人は刺されたんだ」
魁虎は続けて言った
魁「犯人は刺した人をその場に落として言ったんだ」
『あーあ、お前のせいで死んじゃったね。お前は
自分のせいで無関係な奴らが俺に殺されていってるのに
見捨てたな。コイツも可哀想にな、本来なら
まだまだ生きていたであろうコイツも、お前のせいで
死んだんだよ。お前はコイツもそこら辺に転がって
いる奴も見殺しにしたんだよ』
風「何ふざけたこと抜かしてんだよ!
なんで蒼のせいになるんだ!誰だって逃げるだろ」
魁「でも、蒼にとってその言葉は十分なダメージ
だったみたい」
魁虎は更に、それを聞いた蒼の体から力が抜け、その場にしゃがみこみガタガタと震えていたこと。それと同時に瞬きもせず、ずっと何かをブツブツ繰り返し言っていたことを話した
成「犯人はどうなったん?」
魁「ごめん、分からない」
成「分からんのか?」
魁「僕が蒼を心配していた間に消えてた。ちなみに
その犯人はまだ捕まってないよ」
風「消えた…それにまだ捕まってないって……
誰も見てないのか?それだけ大騒ぎなことを
やったってのに」
魁「うん…僕達みたいに殺されなかった周りの人も
誰も見てないんだって……それより、あいつが蒼に
向けて言った言葉を周りの人も聞いていたからさ
警察が来る前も来た後も視線が痛かったよ……」
魁虎はそう言って苦笑した
魁「それに誰かが現場に来た警察にそれを
言ったみたいでさ事情聴取もされたよ。でも、蒼は
警察が話し始めてすぐに気を失って心肺停止状態
だから救急車で蒼は病院に運ばれて、僕が代わりに
見たこと聞いたことを警察に一生懸命話したよ」
雷「分かってもらえたんですか?」
魁「一応はね…でも、蒼にも話を聞くって言ってた」
成「で、蒼はいつ目が覚めたん?」
魁「意識を取り戻したのは2日後だったよ
僕は目が覚めてくれてほっとしたよ…でも、僕はその時
蒼を見て驚きを隠せなかった……」
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