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合言葉 4
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黒スーツ1「此処から先は戦いが続いている
なのに何故、先に行こうとする?」
戦い!?とてもそんな様には見えないけど…
雷「我、雷を操る者。風と共に蛇と成した神を
腹を空かしている蒼虎(そうこ)の元まで導くことを許せ」
これが合言葉?
成「この言葉の中に雷翔、風翔、俺、蒼、魁虎の
名前が含まれとるのは分かるか?」
……ああ、雷を操る者が雷にぃ。風が風にぃ。蛇と成した神が成希で、蒼虎が蒼と蒼の弟の魁虎か……
綾「分かるが随分複雑なんだな。ところで、俺は?」
成希がああ、それはな…と口を開きかけるとその声を遮るかのように黒スーツが雷翔から視線を外し綾瑠に目を向けて話しかけた
黒スーツ1「この幼子は凶、それとも吉」
雷「吉となる!この幼子、新たに神力を得た者
我らの声、この幼子に預けた
蒼鮫(あおさめ)と蛇の友であり、
豹王(ひょうおう)の最愛の者なり」
綾瑠は最愛の者という言葉に顔を真っ赤にして口をぱくぱくさせた
黒スーツ2「では幼子、貴方の名を声に出しながら
指で私の掌に漢字で書いてください」
綾「わっ!?」
雷翔の前に立っていたはずの1人がいつの間にか綾瑠の左隣に立っていた
黒スーツ2「驚かせてしまい申し訳ございません
以後気をつけますのでお許しを…」
黒スーツ2は深々と頭を下げた。綾瑠はそんな黒スーツ2の行動に戸惑い雷翔達に助けを求めた
綾「え、あ…兄ちゃん、俺…」
雷「許すと言ってください
そうすれば彼は頭を上げます。彼ら黒スーツは
門番のようなものですから出入りする者に
粗相をしては絶対にならない」
風「もし怒りをかったとなれば首はねもんだからな」
綾「く!?えっ、許す!許すから頭上げてください!
怒ってないですから!」
綾瑠は2人の言葉を聞き慌てて許すと言った
黒スーツ2「ありがとうございます」
黒スーツの顔は明らかホッとした顔をしていた
体も若干だけど震えてる。本当のことなんだ…ってことは今までにはねられた人がいるってことか……
黒スーツ2は雷翔の言う通り頭を上げた後、自分の手を綾瑠の前に差し出した
黒スーツ2「では、こちらに」
綾「あ、はい。……姫、綺、綾、瑠…です」
綾瑠は先程黒スーツに言われた通り指で名前を書きながら言った
黒スーツ2「ありがとうございます。これで名と声の
登録が完了致しました。皆様のお通りください」
黒スーツ2がそう言うと黒スーツの2人はすすっ、と後ろに下がった
成「ありがとさん。ほな行くで
今度は瞬間移動でええよな?」
雷翔と風翔は頷き綾瑠も続けて頷こうとしたが、あっ!と声をあげた
成「どしたん?」
綾「ちょっと待ってて」
綾瑠は黒スーツの2人に近づいて行った
綾「あの…」
黒スーツ1「どうか致しましたか?」
黒スーツ2「何か私達に御用でしょうか?」
綾瑠はえっと…と躊躇いながらも2人の顔を見て言った
綾「2人の名前を教えてください」
黒スーツの2人は目を見開き固まった
綾「……あ、あのー?」
黒スーツ1「申し訳ございません。その様な質問が
初めてでして少々驚いてしまいました」
この質問そんなに珍しいのか?
黒スーツ2「大変申し訳ないのですが、私達2人には
名前はございません。ですので、お教えすることは
できません」
2人は揃ってまた頭を深く下げ、お許しをと言った
綾「怒ってないから頭上げてください!
こちらこそ不躾な質問をしてすみませんでした」
名前が無いなんて想像もしなかった。名前が無い……なんだか悲しいな…
黒スーツ1「お気になさらないでください
しかし、綾殿(あやどの)先程から皆様がお待ちです
そろそろ行かれては?」
綾瑠は一礼して慌てて雷翔達の元へ戻った。そして一瞬にしてそこにいた全員の姿が消えたのであった
黒スーツ1「…名前など考えたことありませんでした」
黒スーツ2「………私もです…なにしろ、私達に命など
最初からないのですから……」
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