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桜の花びらが舞うある日のこと
蛇「ふあぁ……眠たい…」
このような天気の良い日には木陰で昼寝に限るな
蛇神は空を飛びながらそんなことを考え、大きな欠伸を1つした
蛇「それにしても、此処は空気が澄んでいて
心地が良いな。水が綺麗だと空気も変わるのだな」
よし、決めたぞ。今日は此処で昼寝をしようではないか。水の流れる音が俺を安心させてくれる
蛇神が降り立った場所には川があり、その側には大木がちょうど良い木陰を作っていた
蛇神は大木の幹に手を当て話しかけた
蛇「暫く此処で休ませてはくれぬか?
不都合であるなら言(ゆ)うて欲しい」
…ザワザワザワ………
蛇神が木に問いかけると風など吹いていないのに、それに応答するように木の葉が音を立てて揺れた
蛇「そうか、感謝する。では失礼するな」
そう言って木の根元の所にゴロンと寝転がり、すぅっと大きく空気を吸い込んだ
静かな所だ…此処なら何も気する事はないな……
蛇「……此処は良いところだな…
お前はいつから此処におるのだ?やはり長いのか?」
…ザワザワザワ……
蛇「ほぉ、もうすぐで1500年か
では、やはりこの辺の事は詳しいのか?」
…ザワザワザワ………
蛇「そうか。では、困った時には相談するとしよう
よろしく頼むな」
蛇神がそう呼びかけると木の葉はまたザワザワと揺れた。その様子を見た蛇神はふっ、と笑い目を閉じた
此処なら私に何かあった時に……
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蛇神が眠って暫くした時だった。そこにふわふわと綿毛が集団を作って飛んできた。大木は綿毛達に向かい何処まで行くんだい?と尋ねる
綿毛の集団は、とーくまで行くのー。あったかい所に行くのー。お力をもらいに行くのー、とクスクス笑い合いながら答えた
大木はもうそんな時期か、と思いながら気をつけてね、と言って綿毛の集団を見送った。視線を移し下を見るとすやすやと心地よさそうに眠る蛇神がいた
大木は蛇神を見ながら植物である自分と会話が出来る蛇神をとても不思議に思った。精霊や妖精、癒しの神であるならまだしも動物の神である蛇神だ。動物の神が動物だけでなく植物とも会話が出来るのは極めて稀なのだ
大木は自分に触れた手、風に吹かれてふわりっと舞った地面に着きそうなくらい長い黒髪。そして、全てを見透かせるような優しくも鋭い光を放っていた黒い瞳を持つ蛇神に久しぶりに興味を持ったのだった
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
蛇「……ん……んんー…あー、よく寝た」
蛇神は目を擦りながら大きく伸びをした。そして、振り向き大木に触れた
蛇「此処を貸してくれて感謝する
また来ても良いだろうか?」
…ザワザワザワ………
蛇「私のことを教えてくれるなら良いと?
ハハッ…そんなことで良いのか?
私のことで良いのならいくらでも教えよう
その代わりと言っては何だが、此処を貸してくれ
あと、出来ればこの辺りの事も教えて欲しい」
…ザワザワザワ………
蛇「交渉成立だな。では、また来る」
蛇神は立ち上がり、ふわりと飛び立った。その後ろ姿を見つめていた大木はどんな話が聴けるのだろう、と次に蛇神が来る時を楽しみにしながら蛇神の姿が見えなくなるまで見送ったのだった
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