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お披露目会、準備 2
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ヒソヒソヒソ……
蛇「…………」
あれからティンと別れた蛇神は、水神の元に向かっている道中(空中)、自分に向けられる視線と声に嫌気を指していた
人を見ながらヒソヒソと…こちらが気づいていないとでも思っておるのか?
ヒソヒソヒソ……
………もう我慢出来ぬ。こうなったらお主らの会話、聞かせてもらうぞ……
蛇神は耳に集中した。すると、耳の奥からキィーン、と音が響いてきた
「あの御方が蛇神様か…」
「ああ、水神様が生み出した神だそうだ」
「いつ見ても美しい御方だな。あの御方のお声を
知る方は限られているんだ
それは一部の力がある者のみに加え、1、2回程度
しかないそうだ」
「そうなのか?では、明日のご挨拶には皆
一声聞こうと注目するだろうな
なにしろ、最も尊い方のお子なのだからな」
……はぁ、聞かなければ良かった。やはり明日は気が重い……。別に挨拶などしなくても良いではないか。ただ好奇の目に晒され、気がおかしくなるだけだ
蛇神は聞くのを止め、気休めでもと欺く力を強めた。そして、水神の所へ向かうスピードを速めたのだった
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
蛇「よっと……」
ふぅ、着いた…意外とティンの所からだと距離があるな
蛇神が降り立った場所は何重にも結界が張られている洞窟の前だった
蛇「水神ー、帰ったぞー」
蛇神は水神に声をかけながら、手首に付けている鈴の腕輪をリーン、と鳴らした。すると、結界の一部が開いた。蛇神は歩を進め、迷わず中に入って行った
蛇「さて、今日はティンの事と妖精の事でも話すかな」
蛇神は歩きながらボソッと呟く。水神の所に顔を出す時には必ず周りでの出来事を話すことが約束であるからだ
歩を進めていくと、暗い洞窟の中に光が現れる。その光の元は足元に咲き誇る光華璃(ひかり)と言う花だ。この花は名前の通り光る花だ。暗い所で育ち、夜道などを照らす灯りになる
光の色は様々で、赤い物もあれば青く光る物もあり、オレンジや黄色、緑や紫もあれば稀に黄金に光る物もある
蛇「いつ見ても綺麗だな……」
この花は水が綺麗でないと悲しいことだが咲くことなく枯れてしまう……。水神の力あってこその光景だな
蛇神はそんなことを思いながらどんどん奥に歩いっていった。すると、光華璃とは違う明かりがある小さな空間に出た
蛇「水神ー。帰った故、姿を現してくれぬかー?」
…………?
蛇「おーい、水神ー」
留守なのだろうか?いや、もしそうだとしたら結界は開かぬ…。うむ…一体何処に、
水「何度も呼ばずとも聞こえている」
水神はぽんっと肩を叩きながら言った
蛇「っ!驚かさないでくれよ。貴女の気配を
察知することが出来る者などいないのだから」
水「お前は出来るであろう?」
蛇「出来るには出来るが、毎回ではない」
水「修行不足だな」
蛇「修行したとしても無理だと思うがな」
水神はクスッと、笑った
水「それはお前次第だと思うがな。なにしろ妾の
1番愛しい奴だからな」
蛇「私は愛されてるのな」
水「そうだぞ!お前は妾が生み出した最初で最後の神
であり、授けた力を最大限に使ってくれている
まっこと(誠)愛しい奴だ」
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