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お披露目会、準備 8
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焰は着物の懐から紐がついた赤い欠片を取り出した
蛇「それは…」
焰「元はもう少し大きくて綺麗だったんだがな…
これは俺の守り石、紅玉だ」
蛇「何故そんな…」
守り石が砕けるなど相当なことがない限りありえぬ。しかもルビーは硬い石の部類に入るはず。焰は一体…
焰「…俺は1度………消されかけたんだ…」
焰はルビーの欠片を見ながらそう呟いた
蛇「消滅しかけたということか!?」
水神も目を見開いた
そんなことが実際にあるのか!?話には聞いていたが、実際にそのような場面に出くわした者に会うのは初めてだ
焰「ああ、そうだ。その時、俺を救ってくれた奴が
ルフスだ。あいつさ…俺のこと名前ぐらいしか
知らなかったのによ、自分を犠牲にして魔力をギリギリ
まで使って俺の命を繋いでくれたんだ」
蛇神はふとティンの言葉を思い出した
「1度認めた相手なら自分の妖力が底尽きるまで
尽くすんだ」
ああ…そうか。ルフス殿は既に焰のことを認めていたのだな。だから、危険を顧みずに己の力をギリギリまで使ったのか……
焰「あいつは俺の命を繋いだと同時にこの石も
元の形に直そうとしていたんだ。すげぇよな…
己の命削ってまで助けるとかさ」
それ程お主はルフス殿に好かれていたのだな。お主を失うまいと……私にもそのように思ってくれる者がこの先現れてくれるであろうか?
焰「俺はさ、そん時あいつに惚れた
あいつとは以前から他の妖精と一緒の時に
何度か会っていて面識があった
たったそれだけなのに、他の妖精も一緒にいた中
あいつだけが俺を助けようと動いてくれた」
蛇「他の妖精は…その者達とも面識は
あったのであろう?」
焰は蛇神の言葉にああ、と頷いた。
焰「だがな、その時は皆その場から逃げるのに
必死だったさ。なのにあいつときたらさ、
自分の羽が傷ついたのも気にせずに
俺の所に真っ先に飛んで来てくれたんだ」
焰ははその時のことを思い出しているのか、少し口角を上げながら言った
焰「俺はそん時、コイツになら俺の命を預けても
いいなって思った。例えこいつに売られて
消滅したとしてもそれも本望だな、ってさ」
蛇「それは…」
?「おい、アホむら様。何言ってやがるんだ?」
そんな声が聞こえたとほぼ同時に小さな炎の塊が現れた。だがそれは直ぐに消え、その中から姿を現したのは焰と同じ赤髪を持ち、瞳を金色に輝かせている妖精だった
焰「おー、ルフス。速い到着だな」
ル「おー、じゃねえよ!
お前にまた何かあったのかって心配しただろ!」
焰にアホむらって……ルフス殿だから言えることだな…
焰はプンプンと怒っているルフスに向っていやー、すまないなぁ、と謝った。ルフスは焰にビシッと指さして言った
ル「僕は死んでも貴方の命を守るって決めてるんだ
簡単に消滅出来ると思うなよ!」
水「ほぉ、頼もしい妖精だな」
水神はいつの間にか取ってきた光華璃を束にし、茎の切り口を水に浸していた
水神…いつの間に……
水神は蛇神の視線に気づきニコッと笑った
ル「な、貴女様は水神殿ですか!?」
水「如何にもそうだが?」
ル「挨拶遅れてしまい申し訳ございません!
僕は焰の術者、ルフスと申します。この度は許可なく
結界の中に入ってしまい申し訳ございませんでした!」
ルフスは水神に謝罪した後、蛇神にも挨拶をした
水「なに、気にしておらぬ
それよりも妾は感心しているのだ。どのようにして
妾の結界をくぐったのだ?綻びておったのか?」
ル「いえ、完璧で何処も綻びていません
既にお聞きになっているかもしれませんが、
僕は焰様の命を預かっている身、焰様とは
一心同体のようなものですので如何なる所でも
お側に駆けつけられるのです」
水「ほぉ。して、それは何処に持っているのだ?」
ルフスは水神の言葉を聞くとチラッと焰を見た。話していいか判断を仰いだのだろう。焰はルフスを見たまま頷き、許可を出した
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