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桜の妖精の力 2
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桜の妖精は無言のまま、キョロキョロと目を泳がせた
桜精「…………」
蛇「何故、私と会話をしてくれぬのだ?」
やはり、私のことが……
桜精「…………」
すると、風の妖精が大きく溜息をついた
風精「ほーら、自分の口から言わないと
意味無いよ?いつまでも黙ってないでちゃんと
話しな?蛇神殿が困ってるよ?」
桜精「で、ですが…」
綺麗な声だ…まるで、鈴の音のようだな
光精「大丈夫だって、桜の妖精。蛇神殿は
あんなのでお前を避けたりしねぇよ
それはお前が1番分かってんじゃねぇのか?」
あんなの?
ル「そうそう、蛇神殿は必ずお前を受け入れてくれる
だから、ちゃんと話せ。な?」
受け入れる?何を言うておるのだ?
桜精「…………分かりました…」
桜の妖精は、チラチラと蛇神を見ながらゆっくりと近づいていった。そして、蛇神の目の前で止まり俯きながら小さな声で、あの…と言った
まぁ何はともあれ、よく聞きもせずに嫌うことは無い
桜精「あ、の…私は……」
蛇「桜の妖精、俺は相手に触れると
そやつの心が聞こえる能力がある
もし口に出すことが難しいのであれば、
俺の手に触れてほしい」
そう言って蛇神は掌を上にして前に差し出した
あとは桜の妖精に任せよう
桜精「あ……え、と…」
桜の妖精は躊躇っていたが、差し出された手の中指にそっと触れた
蛇「分かった。肯定は親指、否定は人差し指、
疑問は両方を曲げる。では、読むぞ?」
桜精「……はい」
蛇神は意識を指先に集中させた。すると、いつもの様に耳の奥でキーン、と音が鳴る
桜精 [蛇神殿、聞こえていますか?]
蛇神は親指を曲げた
桜精 [先程はずっと失礼な態度をとってしまい、
すみませんでした。怒っていますか?]
人差し指を曲げる
桜精 [私は蛇神殿に近づかない方が良いのです
見てはならないのです]
蛇神は両方の指を曲げる
近づかない方が良い?見てはならない?何故そのようなことを…
桜精 [私の能力に真実の瞳、というモノがございます
内容は名の通り相手の真実、誠の心を見ることが
出来るのです]
っ!?誠の、心……ということは…!
桜精 [貴方様のことです、もう察しているでしょう
その通りです。私の能力は貴方様と正反対の能力
そして、その貴方様の欺きの力を無効化することも
出来ます]
蛇神は桜の妖精をじっと見つめた。桜の妖精も悲しそうな笑顔をしながら見つめ返し告げた
桜精 [この能力は、最近目覚めたばかりなのです
故に上手く制御することが出来ません
前にこの能力が開花した後、1度貴方様を
お見かけしました。その時私は貴方様とお話したく、
近づいてしまいました]
と言うことは…桜の妖精は以前から私を見ておったのか?
桜精 [しかし、私が気づかない間に力が働いたらしく
貴方様の欺きの力を無効化してしまったのです]
桜の妖精は目を逸らし、俯いた
桜精[ですから、私は貴方様に近づくことは
許されないのです。貴方様は周囲の目、声を気にし、
己を隠しておられるのですから…
それなのに私が近づいてしまえば全て水の泡、
貴方様を苦しめることになってしまいます…]
桜の妖精は中指から手を離し、蛇神から離れようとした
桜精「えっ!」
だが、それは叶わなかった。何故なら蛇神が反対の手で桜の妖精の背を包み、そのまま自分の胸に抱き寄せたからだった
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