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癒しの神と妖精王 2
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恵「んで、何から話せばいいー?」
恵は水神の袖の裾を持ちながら蛇神に聞いた
蛇「えっと……何故目を閉じておられるのだ?」
恵「んー、僕は生まれつき目が見えなくてね
瞼の開け閉めは出来るけど、開けても見えないから
意味無いでしょ?だからずっと閉じてるんだよ」
桜精「では何故、貴方様は…」
恵「ん?初めて聞く声だね…
蛇神の右肩に乗っている子のどっちの声かな?」
桜精「えっ!?」
蛇「何故それを…お主は見えないはずでは……」
水「こいつはオーラの色で誰かを判断しておる
同じ種族だとしても、全く同じ色をしておる
わけではない。皆、少しずつ色が違っておるのだ」
蛇「そうか…その少しの違いで相手が誰かを
判断しておるということか」
恵「せいかーい!だから、色も皆と同じように
分かるし、何不自由なく生活してるよ
まぁ、人混みだと困っちゃうけどね」
だから裾を持っておられるのか…
恵「で、どっちの子?」
桜精「あ、えっと、私は蛇神殿の首に近い方に
座っています。契約は先程決まったので、
名はまだもらえていません」
恵「ほぉほぉ、君は植物系の妖精だね?
綺麗な色してるね」
桜精「あ、ありがとうございます
私は此処の桜の妖精です」
恵「へぇ、桜か…君のオーラと同じ様なピンク色を
してるんだろうね。他の子は?」
風精「桜の妖精の隣に座ってる、風の妖精だよ」
雪精「僕は反対の肩に座ってる雪の妖精」
光精「俺は頭の上にいる光の妖精だ」
恵「ありがとう。皆優しい、いい子ばかりだね
流石妖精王が生み出した妖精達なだけあるよ」
蛇「妖精王と友であられるのか?」
恵「そうだね。同じく命を生み出す者同士だからね」
癒しなのに生み出すのか?…いや、そう言っては水神もそうか………
水「蛇神、妾がお前を生み出したのと
恵が命を生み出すのとは少し違うぞ」
違う?
水神は蛇神が悩み、聞くか迷っていることにどんどん答えていった
水「妾や他の神には己と同じ神か精霊の卵しか
生み出せぬ
だが、恵は植物から動物、人までも生み出した者だ
今は生み出してはおらぬらしいがな。合ってるか?」
恵「そうだよ。あとは皆の繁殖力に任せてるね
だから、今は治癒だけだよ。だから、
植物系の妖精達とは力的に同じだね」
桜精「治癒能力の先輩という事ですね
今度アドバイスを頂けませんか?」
恵「うん、いつでもいいよ」
そうして色々話しているうちに桜並木から少し外れた小高い丘に辿り着いた
水「えっと…妖精王は……」
立ち止まり妖精王を探す水神に蛇神は少し緊張していた。ティンから聞いた時からずっと気になっていたわけだから無理もないだろう。蛇神のそんな様子をいち早く感じ取った雪の妖精は蛇神に声をかけた
雪精「蛇神殿、緊張してるのぉ?
僕も心臓ドキドキしてるから同じだねぇ」
蛇「とてもそうとは見えぬが?」
初めて会った時とずっと同じではないか
雪精「左腕曲げて、人差し指を僕に向けてみてよ」
蛇「こ、こうか?」
雪の妖精はそうそう、と言ってその人差し指を両手で取り自分の胸にあてた
トクトクトク……
指先から感じる雪の妖精の鼓動は確かに少し速かった
蛇「本当だな…」
雪精「ね?お揃いだよぉ」
蛇「そうだな、お揃いだ」
クスクスと笑い合う2人を光の妖精はじっと見ていた
光精「雪の妖精ばかり構って…ずりぃぞ……」
光の妖精はムスッとしながらそう言った
蛇神は可愛いやつだなと思い、頭の上にいる光の妖精の頬を指で撫でた
蛇「皓(あきら)、そう拗ねるでない
お主のこともしっかり見ておるぞ」
光精「えっ?」
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