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最高の調味料 4side水怜
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水「皆さん。お待たせしました!
パスタをお持ちしましたよ!」
水怜は配膳台をガラガラと押してテーブルに向かう
雷「凄くいい匂いですね。トマト系ですか?」
水「はい。最初はこの3種類です」
水怜はテーブルの上に先程盛り付けたパスタの皿を1つずつ置いていった
兄様が作ったパスタ。しっかりお届けないと…。今の僕の大事なお役目っ♪
風「うっわ、めっちゃ美味そう。味はなんだ?」
水「兄様が言うには、アマトリチャーナと
アラビアータ。それからカルボナーラです」
僕はカルボナーラが大好き。料理の中で1番好き
魁「凄い…パスタの麺が3つとも違うね」
水「兄様は、あと2種類作っています
僕は先に食べてなさいと言われてしまったので、
このまま席につかせてもらいますね」
それにしても、何で兄様はあんな事言ったのかな…?
雷「勿論良いですよ。それにしてもすごい量ですね…」
水「ある分全て使っちゃえ、と言ってました」
兄様に僕がカルボナーラを好きな理由を話したら、問答無用で先に皆と食べてろって…
蒼「うわー、流石綾瑠。豪快だねー」
風「まぁ、食えるし良くね?」
雷「確かにそうですね。2皿分は余裕でしょう」
魁「底なし胃袋…」
風「俺自身もそう思うわ」
水「皆さん、冷めないうちに食べましょ!
次ももうすぐ来ちゃいますよ」
兄様が来る前に、理由…分かるよね……?
風「おう、食おうぜ!俺、アラビアーター♪」
それぞれ自分の取り皿に取り分け、パスタを口に運んだ
ふふふ…やっぱり美味しい。兄様のカルボナーラも食べていて心がぽかぽかする
魁「めっちゃ美味い…綾瑠さんって、天才?」
蒼「そりゃあー、シェフに認められてる腕だし
美味しいのは当たり前なんじゃなーい?」
雷「仕事の付き合いで高級レストランのものを
何回も食べたことがありますが、
こんなに美味しいのは初めてですね」
風「だな。このアラビアータなんか辛ぇだけじゃなくて
うめぇし、兄貴も食ってみろよ」
雷「食べないわけありませんよ。全て喜んで
頂くに決まってます」
魁「あっ!蒼!僕のサラダの生ハム食べたでしょ!」
蒼「んー?何のことー?」
魁「知らばっくれても無駄だよ!
証拠はあるんだからね!」
魁虎は眉間にシワを寄せ、隣に座る蒼にビシッ!と指を向けた
え、喧嘩?と、止めるべき?いや、本当に喧嘩?それとも、じゃれてるだけ?へんに口出ししても……あー、どうしよう…!
水怜はどうしたらいいか聞こうと隣を見る。しかし、
風「へぇ。んで、その証拠は何だ?」
風翔はニヤニヤしながら2人のやり取りを見つめ、と雷翔は黙々とパスタを食べていた
お2人が止めないということは喧嘩ではないのかな…?
魁「蒼の口の端に付いているサラダのドレッシング!
アマトリチャーナを食べてるはず蒼の口の端に
白いソースが付くわけない!」
風「おー、鋭い。確かに」
蒼「あははー、バレたー?」
魁「バレたじゃない!このっ!」
魁虎が右手を振り上げる
あっ!
水怜は目をギュッと瞑った
ベチンッ
……………
蒼「痛ーいー!デコピンとかすんなしー」
魁「デコピンだけで済んでよかったと思えし」
え…?で、デコピン?
水怜は目を開けた
風「アハハハハッ、見てて飽きねぇ。やっぱお前ら
見てて楽しいわー。アハハハハッ……」
困惑しながら水怜が再び隣に視線を向けると風翔の右隣に座る雷翔がこちらを見ていた
そして読唇術も出来ることを知っている雷翔は口パクで水怜に向かって話し出した
水怜、楽しいでしょう?美味しい料理を更に美味しくする最高の調味料はもう綾瑠から聞きましたか?
?…更に美味しくする最高の調味料?
水怜は首をかしげる。それを見た雷翔は言葉を続けた
コレは私も綾瑠から聞いたのですが、料理を更に美味しくする最高の調味料は…
『空腹と皆で楽しく、笑顔で食べることだ』
あ……これはさっき兄様が言っていた事……
風「やっぱ飯を食べる時はこーでなくちゃな!
堅っ苦しい会食とか俺的にありえねぇわ」
魁「風翔様!僕は生ハム食べられるなんて嫌だ!」
魁虎はパクパクとパスタを食べる蒼を指さした
風「今度何か奢ってやるから我慢しろ」
魁「本当に!」
風「ほんと、ほんと」
魁虎は目を輝かせ、風翔は笑いながら応える
水怜、もう1度カルボナーラを食べてみて下さい。きっと驚きますよ?
水怜は頷き、再びカルボナーラを口にした
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