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46誠の忠誠
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あの男は自身が思うより王の信頼を受けている
実の弟である俺よりもだ
現にあの日、白竜が王に謁見した時、あいつが王の側に着いていた
王は白竜とあの男以外の全員を下がらせた
だからこの男は全てを知っている
白竜が頑なに口をつぐんでいる予言を
「あっ!ぅ…」
下半身の鈍い痛みが思考を鈍らせる
体内に埋め込まれた楔は抜けないままで
ずっと揺さぶられている
「強情だな。義姉上の弟君なだけはある」
汗に濡れた髪をかきあげ夏呂久が笑う
「さあ言え。王と白竜の間でどんな話をしていたか」
「いわ…なぃ…知らない」
首を振り拒絶する
「強情な。私もこう見えて暇ではありません」
眺めていた天狗が立ち上がる
「主人が留守の間もやることは…」
扉を開けると
「俺の部下に許可もなく何をしている?」
「は…白竜様!」
白竜が立っていた
「白竜、こちらへ」
言われるがままに楊の部屋に入るも足を止める
「どうしました?遠慮なさらずに」
焚かれた香の香り
「黒が好んで使っていた香」
「ああ。ついクセで」
チャリ
細い首を彩る飾り
「ここは黒の匂いが強い」
友に叱られているような気分に陥る
「配慮が足りず申し訳ありません」
楊が謝罪し窓を開けるも
「いいえ。俺もあなたの優しさに頼りすぎていました」
外に向かう
「今夜は冷えます。窓を閉めてお休みください」
礼をし出ていく
「人をその気にさせておいて本当に無粋なお方です」
首飾りを弄りながら呟く
「いや、こんなにも他の男の匂いを残す僕も間抜けですね」
黒が置いていったバクチの木札を抱きしめ
「ぅ…う…」
静かに泣いた
「ただいま戻りました」
「お帰りなさいませ」
帰宅した白竜を使用人が出迎える
「旦那様は今夜はお帰りにならないと思い、緑様は蓮様とお部屋に。天狗様もお部屋に下がられています」
「それは申し訳ない。泊まるつもりではあったが予定が変わりました」
謝罪し
「緑と蓮様には明日の朝説明します。天狗の部屋には今から行きます。俺の部屋には水差しを」
「かしこまりました」
使用人に命じたあと天狗の部屋に行く
「同じ屋根の下に住んでいるのにこの部屋に来るのは久しぶりだ」
敷地内の離れに向かう
使用人宿舎と別の天狗専用の部屋
「天狗」
声をかけるも返事はなく
複数の異界の住人の気配
「まさか!」
天狗の実力は知ってはいるが夏呂久の様な住人がいるかもしれない
扉を開け剣の柄に手を掛けるも
「俺の部下に許可もなく何をしている?」
嗅ぎ慣れた男の匂いと共に
桐を組み敷き犯している夏呂久の姿があった
「今夜はお戻りにならないと思っていました」
出迎えも出来ず申し訳ありません
と非礼を詫びる天狗に
「そんなことより俺の部下を開放せよ!」
ビリビリと緊張した空気が辺りを包む
「ただの兄弟の戯れです。あなたが思うような事はしておりません」
相も変わらずヘラヘラと笑う夏呂久に
「桐は異界の王より預かった大事な兵士。さっさと離れろ」
白竜は殺気を押さえず
「ご無礼を」
夏呂久は桐を漸く開放した
「お召し替えを手伝います」
ふらつく桐を連れて出ようとする白竜に天狗声をかけるも
「要らん。暫くお前達は謹慎だ。俺が良いと言うまでここを出るな!」
厳しく言い放った
「やれやれ…ネンネの坊やが乳母やに噛みついたか」
「はっ!あ…あぁ…」
アヌスに濡れた指が進入しかき乱す
「あっ!れん…ぅ…」
唇を重ね舌を味わう
「は…緑…」
蓮の儚げな笑顔とは裏腹に節くれだった指は緑の体内をえぐり
「あっ!もう…もう欲し…」
熱い楔を求める
「蓮、蓮をもっと感じたい。満たされたい」
「ん…」
首筋に舌を這わせ
「じゃあ緑が僕をその気にさせて」
半だちのぺニスを見せる
「うん…蓮大好き」
翡翠のような瞳が蓮を捉える
ずっと欲しかったものが今自分の側にいる
きっとあの兄や巫子にも見せなかっただろう
ましてや緑を支配するあの王すらも
「あふ…」
たどたどしい舌の動き
熱い口内に蓮のぺニスが呑み込まれて行く
「緑、無理しないで」
緑の柔らかで鮮やかな髪を撫でる
「んんぅ」
旨そうに頬張る緑の瞳は欲情に染まりうっすらと鱗が浮かぶ
「あ…は…」
しっとりと汗で濡れた太ももで緑の頭を挟み
ゆるりと腰を揺らす
「んっ!んっ!」
少し苦しげな声をあげるも蓮は構わず腰を揺らし
不意に開放する
「は…」
涎の糸を引きながらゆっくりと頭を上げる
「こんなに硬くなった」
目を細める緑に
「君が元気にしてくれた」
汗ばんだ緑の額にキスを落とす
「緑、ここに寝そべって」
言われるがままに寝そべり
足を開くと
緑のアヌスはヒクヒク震え蓮をまちわびている
「緑可愛い、大好き」
再度キスをし
ずんっ
「あああっ!」
いきなり突き入れられたぺニスに思わず声を上げる
「しー…ここには白竜様が留守でも他人も居るんだよ」
人差し指で緑の唇を押さえる
「うん…ん」
自分の腕で口を塞ぐ緑に
「良い子良い子」
蓮が笑う
「ふ…」
声を押さえた緑が腰を揺らし蓮のぺニスをくわえこむ
「んぅ…んっ!」
ずちゅっ
ずちゅっ
「…あっ!蓮!蓮!」
蓮の名を呼ぶ
「りょく…」
掠れた蓮の声が心地よく耳に入る
(気持ちいい!気持ちいい!桜の連れていた化け物より気持ちいい!)
「あっ!れん!大好きぃ」
蓮にしがみつき蓮の下腹部に精液を放つと
蓮も僅かに呻き精液を注いだ
「れん…ずっと一緒に居るから」
「白竜様。先程は失礼しました」
井戸の側で身を清めた桐が白竜の部屋に入る
「桐、こちらこそすみません。俺の従者の無礼は俺に責任があります。あの2人には謹慎を言い渡しています。お前には変わらず緑の友人として側にいてあげてください」
「緑の監視ですか?やはり…」
「最後の予言までは俺が外して見せます。お前の王の為にも」
拳を握りしめる
「その為なら…俺はあの花をへし折る覚悟だ」
「その時は俺もお側に」
翌朝
「蓮様、緑様。昨日遅くに白竜様が戻られました。今は食堂におられますのでご挨拶をお願いします」
いつもの朝の挨拶は天狗ではなく使用人頭で
「天狗は?具合が悪い?」
疑問に感じた緑が尋ねる
「それもまた旦那様にお尋ね下さい。私ごときが答えられる事ではありません」
深々と礼をし出ていく使用人頭に続き
食堂に向かうと
「桐も居たんだ」
「ん…白竜様のご命令で」
身なりを整えた白竜が茶を飲んでいた
「蓮様おはようございます。お体の調子はいかがですか?」
いつもと変わらない白竜の笑顔に違和感を覚える
「は…はく…」
緑の言葉を遮り
「白竜様、天狗はどうしました?」
蓮が尋ねる
「ああ、天狗は俺の命令を無視し、主を軽んじたので夏呂久共々謹慎中です。緑、お前もいずれは屋敷の主となる身。主を軽んじるもの、命令を無視するものに容赦は無用。ただし、主が無能な場合は付き従わないのは当たり前と思いなさい」
「旦那様もです二度と丁のような者は御免です」
使用人頭に言われ困ったような笑みを浮かべる
「兎に角、暫くは不便が生じるかとは思います」
「うん。特に白竜が」
緑が白竜の帯を直す
「はは…申し訳ありません」
「旦那様は高貴な出なので本来は自分で着脱をする必要はありません」
「じゃあもしかして…」
「黄帝陛下もですね」
「皆赤ちゃんなんだね」
「ぶっ!」
緑の一言に思わず桐と蓮が吹き出す
「そうですね。自分でちゃんと出来るようにします」
「緑!君はもう少し目上の人間への言葉遣いを考えて!」
黄帝の見舞いで控室で過ごす蓮は付いてきた緑に説教をする
「本当の事なのに?」
「前も言ったよね?白竜様は竜族の王にして堕ちたとは言え、天上の覇王でもあるお方だよ」
「覇王って…」
「ご歓談中失礼します」
「楊様」
突如蓮と緑の前に現れた楊に
2人とも目を見開く
「既に白竜様のお屋敷にも使いの者を出しました」
白竜の屋敷
「白竜様、黄帝陛下より手紙です」
「態々のお出向き、ご苦労様です」
深々と頭を下げ手紙を読み安堵のため息を漏らす
「緑には気の毒ですが…蓮様の仕草や匂いに狂わされずに済む」
あの巫子は美しすぎる
あの美しさに目が眩み
予言を実行しようと言う衝動に駈られる
「猶予は3日間。こちらからも手伝いを寄越します」
「………」
体調の優れない黄帝の側でずっと看病せよ
という命令を下された蓮は青い顔をして震える
「緑もこの子と今まで仲良くしてくれてありがとうございます」
今生の別れのような楊の台詞に疑問を覚える
「どう言うことですか?」
楊は微笑を浮かべたまま
「この子は桃娘。体の全てが薬となります」
つまりは黄帝に命を献上される
「まあこの病が治るとは誰も思っていません。しかし陛下の命令は絶対。僕達は陛下の下僕。陛下が命を所望されれば喜んでこの身を捧げます」
「………」
蓮は俯いたままで
「あなた方もそうでしょう?」
「…はぃ…」
唇を噛み締める緑に近付き
「あなたのお兄さんがされた事を蓮にして上げなさい。そうすれば蓮は長生きできます」
「…え?」
耳打ちする
顔を上げる緑に
「今日はもうお帰りなさい。陛下は誰にも会いたく無いそうです」
俯いて帰る2人を見送り
「くくくっ」
楊は口元を袖で隠す
「異界の王の予言というものは抗えない運命ですよ?白竜様」
真の王が全てを破壊する
「予言が外れてしまえば借りは貸したままになる。そうすれば次世代の王がまた誕生するのをゆっくり待てば良い」
「優しい白竜王。新しき王は生まれている」
病床の異界の王は呟く
「新しき王は旧き王を倒さねばならぬのだ」
その為に大事な物を無くしても
続く
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