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プロローグ
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「綺麗な夕日だね、トド松くん」
嬉しそうに声を弾ませる君は、屈託のない笑顔を僕に向けてるに違いない。
ただ、僕はそれを見ることは出来なかった。
「あつしくん……」
振り返らずに、僕は立ち止まった。
夕日に染まった僕らの街が一望出来る、秘密の場所。
「どうしたの?」
あつしくんの声は穏やかだった。
それでいて、どこか悲しかった。
僕は振り返った。
「もう……会えない」
涙が零れた。
そのせいで、歪んでいた視界が鮮明になった。
あつしくんは笑ってなんかなかった。
耐えるように唇を噛み締めてたんだ。
「……そういうことだろうと、思ってたよ」
あつしくんはその日初めて、僕に微笑んだ。
光なんて届かないところに、僕たちの恋はあった。
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