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この出会いは偶然か
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Pマンは自分の自分探しを語った。
「このスーツも、偶然リサイクルショップで見つけたんだけどさ、なんかこれ着たら生きてた頃の自分を思い出せるような気がして。うち、そんなんばっかたまってゴミ屋敷みたくなっちゃって」
「俺だけじゃなかったんですね」
「そうそう。ここにいるのは皆そんな人たちばっかだよ」
「そうなんですか。俺二年間家から出たことなくて。でも今日は外に出たら何かあるような気がして」
「自分も今日は何かありそうな気がしてこっちまで来たんだよね。しかも今日はPマンスーツが着てほしそうにしてたんだよー」
「はは。そういえば何で俺に声をかけたんですか?」
「うーん。何でだろうね。何か懐かしくなるんだよね。君を見てると。あと他いろいろ」
「Pマンさんも懐かしいです」
「おーおー。もしかして自分達生きてた頃知り合いだった!?」
「そうだと思います」
ボーーン。ボーーン。
終焉の鐘が街中に響く。
「そろそろいかないきゃ」
「そうですね。では」
「ばいばい」
死んだ後の魂は天国か地獄にいくというけれど、俺たちはどちらでもない。
死んだ後の俺たちは、知らない街にいた。
自分がなぜ死んだと言うことがわかっているのかわからない。
自分になぜ記憶がないのかわからない。
だけど、死んだ俺たちが自我を持っていることに、何か意味があるのだと俺は思う。
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