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物語は突然で
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「…ふーん…?」
一松はあまり納得していなかったが、それ以上聞ける雰囲気でもなく、曖昧に頷いた。
その代わり、十四松の腕の中の猫を撫でながら口を開く。
「…母さんは…?俺お腹空いたんだけど…」
「僕もお腹空いたぁ!」
猫を撫でる手を止めて十四松も大声を上げる。猫が驚いて体を震わせた。
「十四松…猫が怖がってる」
「ごめん一松兄さん。猫もごめんね」
一松がたしなめると十四松がしょぼんと肩を落とした。
その時、十四松の腹が大きな音をたてて空腹を訴える。
「なんかオヤツないかなぁ~」
ついに十四松が空腹に耐え切れずに台所へ向かう。一松の腕の中に戻ってきた猫がすり寄ってくる。
なんとも言えない無言の空気が5人の上にのしかかった。
「うお~!!なんですと~!!」
「「「「「………へ?????」」」」」
台所で十四松が大声を張り上げる。5人が何があったのかと慌てて台所へ走る。
猫が驚いて一松の腕からすり抜けた。
「...あ、...」
一松が小さな声で呟いて追いかけた。
台所に駆け付けた4人が「何だ」「どうした」と口々に十四松に訳を聞こうと問い詰める。
「…これ、…」
十四松はいつも両親がご飯を食べる机の上にあったであろう1枚の紙を兄弟の前にまるで印籠の如く突きつける。
「「「「 ……はぁ????」」」」
中身を読み進める4人の肩がぶるぶると震え始めた。
既に中身を読んだ十四松が困った様に首を傾げる。
「…どうすんの?」
そこに書いてあった言葉は無責任で、
今の5人には最高の言葉だった。
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