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さぁ、勝負の時間だ
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「…どうするって言われても…」
チョロ松がはぁ、とため息を吐いた。おそ松が紙で飛行機を作り始める。
「まさか母さんが父さんと旅行に行くなんて…」
そう、おそ松が折って無駄に綺麗な紙飛行機にしてしまったこれ。
書いてあったのは両親が揃って旅行に行く事。
そして一週間程いないのでご飯はお金を置いていくので自分達で作れとのお達しだった。
「…なぁ、今日は家で飲まねえ?」
おそ松が紙飛行機を飛ばしてそう提案した。
「…だから誰か酒買って来いよ」
「…僕はいやだよ」
チョロ松が即答する。
「僕もパスー」
「僕もやだ」
トド松と十四松も揃って拒んだ。全員の目がカラ松に集まる。
「…お、俺だってごめんだ」
カラ松も必死に断る。4人はなぜおそ松がそう提案したのかすぐに理解した。
つまり、誰かが酒を買っている間に一松をヤろう、というわけだ。
全員の視線がぶつかり合う。
今までで一番のビッグチャンス。
誰も引き下がる様子はない。一松は猫を追いかけて今ここにはいなかった。
「仕方ねーな、ここはジャンケンで決めてやろうか?」
一松がいないと分かった途端、おそ松がにやぁと口元を歪める。
「…いいよ?僕は」
チョロ松の顔が笑っているが目は全く笑っていない。
「そうだな。」
カラ松は滲み出る殺気を隠そうともしない。
トド松が無言でスマホを懐に仕舞い、十四松の目が光る。
「「「「「ジャーンケーン....」」」」」
数秒後、近所中に歓喜の叫びとこの世の終わりの様な悲痛な絶叫が響き渡る。
「…ねぇ、何してんの?」
戻ってきた一松と猫が変なものでも見る様な顔で問いかけた。 それぐらい異様な光景が広がっていた。
おそ松とトド松が手を組んでくるくると踊る。その表情はここは天国だと言わんばかりに緩みきっていた。
チョロ松は灰にでもなったようにその場に崩れ落ちる。
十四松がどこからか布団を持って来てくるまり、小さく丸くサナギのように動かなくなった。
カラ松が体育座りをしてメソメソと泣きだした。
余裕の笑みを3人に向けておそ松が声を上げる。
「お前ら、酒買って来い」
「「「...はい」」」
蚊の鳴くような声で3人が頷いた。
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